大分市内では高度な技術を持った救急隊らが大規模な訓練をしました。

大きなドリルを手に壁を破壊する隊員。

壁の向こう側に取り残された人を助け出す訓練です。

大分市消防局国際消防救助隊早川剛さん

「実際の建物の構造から要救助者がどう取り残されているのかその時にどんな捜索活動をすればいいのか医療関係者にも協力してもらい救助と医療の連携も確認できた」

訓練が行われたのは大分市内の旧中村病院の建物。

解体予定の建物を使い、より実践的な訓練をしようと市の国際消防救助隊や医師らが参加して行われました。

国際消防救助隊とは海外で大規模な災害が起きた時に現地政府の要請で派遣される高度な技術を持った救助隊です。

大分市からの派遣経験はありませんが全国の消防からは各国で発生した地震や津波災害を中心にこれまで21回派遣されてきました。

今回は建物の上の階へと要救助者を運ぶ訓練や入り口を補強してさらなる倒壊を防ぐ訓練なども行われました。

大分市消防局国際消防救助隊早川剛さん

「いつ災害に派遣されてもいいように常に緊張感をもって過ごしている。私たちが培った技術と知識が今後皆さんのために発揮できるよう精進していきたい」

地震で命に危険を及ぼす建物の倒壊。

目の前で起きた時、何を大切に行動すべきか解説します。

大分にも隊員が在籍しています。

高度な技術を持つ国際消防救助隊。

命を救うために大切な「情報」とは?

3月9日に行われた大規模な救助訓練。

実施したのは高度な技術を持つ「国際消防救助隊」です。

災害時、命を救うために大切な情報を取材してきました。

まず、海外の現場で活躍するこの国際消防救助隊についてです。

全国77の消防本部に599人いますが、大分県内では大分市消防局にのみ6人の隊員がいて、個人の希望や推薦などで選ばれます。

海外では大規模な建物の倒壊による救助活動が多く、そうした捜索活動に当たることが多いそうです。

そうした活動が多いため高度な技術を使った場所の特定に優れています。

例えば画像探査機。

これは建物に取り残された人を小型のカメラで捜索する機械です。

また地中音響探知機では、わずかな音で要救助者の場所を特定することができます。

そして人間が出す二酸化炭素などから居場所を突き止める機械など、特殊な機材を使って救助に当たることができるんです。

本当に細かな情報を集めるんですね。

そんな救助のスペシャリストにいざという時、救助につながる「情報」は何か聞いてきました。

まず倒壊した建物に取り残されてしまった時。

一つは「音を出す」こと。

これは声を出すでも、ものを叩くでも構いません。

救助に当たって大切な情報です。

ただ一方で同時に体力の温存も大切。

ずっと出し続けず、隊員などの声が聞こえた時に反応できるようにしてください。

そしてもう一つは携帯電話のバッテリーを温存することです。

救助では救助隊が電話を鳴らして位置を特定することもあります。

では倒壊した現場に居合わせた時にできること、ひとつは音の反応で位置を探ること。

建物の中の音は外には聞こえづらいこともあるそうです。

些細な音が救助隊の判断材料になります。

そして建物の情報はより正確に伝えてください。間取りや玄関の場所、取り残された人がいる可能性がある部屋など要救助者が日頃とっている行動も重要な情報です。

ちょうど13年前の東日本大震災では建物の倒壊でも大きな被害が出ました。

いざ目の前で倒壊が起きた時どう命を繋げるかみなさんも考えてみてください。