動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」(※1)で日本時間2月27日より配信されている『SHOGUN 将軍』。第1話は世界中で900万回のストリーミング再生回数を記録し、歴代1位(※2)の視聴を記録(※1=北米では「Hulu」で配信。※2=スクリプテッド・ゼネラル・エンターテイメント・シリーズ作品中)。ハリウッドが日本のスタッフ・キャストとタッグを組み、壮大なスケールで日本の心、美、歴史の奥深さを描いた本作が、将来に向けた良い前例となることは必至。世界中の視聴者を引きつけている本作の登場キャラクターがインスパイアされた歴史上の人物紹介する。※ネタバレ要素が含まれています。ご注意ください。

■吉井虎永(真田広之)

 のちに幕府を開き、長い天下泰平の世をつくった徳川家康にインスパイアされた人物。関東地方を治める領主で五大老の一人。太閤の遺言を守り政(まつりごと)を行っていたが、ほかの五大老たちが天性のリーダーである虎永を脅威とみなして結束し、窮地に追いやられる。領地に流れ着いた英国人ブラックソーン(按針)に生き残りの鍵を見出す。

■按針/ジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャーヴィス)

 徳川家康の外交顧問として仕え、サムライの称号を初めて得た英国人のウィリアム・アダムス(日本名は三浦按針)に基づくキャラクター。太平洋諸島の航路を開拓し、アジアにおけるポルトガルとスペインの貿易を妨害する使命を与えられたオランダ船に乗船するも、2年の航海後に遭難し、伊豆の港町に漂着した英国の航海士。自国とはあまりに違う環境や人々の生き方に翻ろうされるが、英語を話せる鞠子を通じて、少しずつ日本独自の文化や武士の理を学んでいく。虎永から信頼を得て旗本に取り立てられる。

■戸田鞠子(アンナ・サワイ)

 明智光秀の三女で、後に細川ガラシャと呼ばれる明智たまにインスパイアされた人物。戸田広勝の妻で敬虔なキリシタン。洗礼を受けてポルトガル語を覚えたため、虎永から按針の通詞(通訳)となることを命じられる。威圧的な夫を嫌っているが、妻として従順な立場を貫いている。教養があり、忠実であり、主君である虎永から信頼されている。

■樫木薮重(浅野忠信)

 伊豆の大名。虎永の家臣でありながら、石堂和成ともつながっており、時勢を読んで忠誠を誓う相手を変える野心家。漂着したオランダ船に積まれていた大砲をはじとする武器にもチャンスを見出しが…。出世のため、保身のために裏切りを繰り返しており、頻繁に遺書を書く習慣を持つ。具体的なモデルは特定されていない。

■戸田広松(西岡徳馬)

 長きにわたって虎永に仕え、忠義を尽くす剛将。プライドが高く、名誉のためには死をも恐れない。他者を信頼しない虎永にとってただの家臣ではなく、経験豊かな助言者であり、唯一無二の友といえる存在。インスパイアされたのは細川藤孝。

■石堂和成(平岳大)

 大阪城の城主で、五大老の一人。農民から太閤の小姓として忠実に仕えて今の地位を得た。身分の低い自らの血筋を忌み嫌い、名家の血筋の者をそれ以上に嫌う。虎永の血筋や権勢に嫉妬し、大老の座から引きずり落とそうとする。狡猾な頭脳を生かして、さまざまな手段を用い、虎永を追い詰める。石田三成にインスパイアされた人物。

■落葉の方(二階堂ふみ)

 世継ぎである八重千代の母で、亡き太閤の子を産んだ唯一の側室。女としての魅力にあふれた容姿と無慈悲で計算高く、抜け目のない性格で、息子を守るためには手段を選ばない。五大老の一人である石堂をそそのかし、自分と息子を危うくしかねない虎永に敵意を向け、追い落とそうと画策する。淀殿にインスパイアされた人物。

■樫木央海(金井浩人)

 薮重の甥であり、網代を治める若き大名。計算高く、叔父の薮重が求める利益をもたらす実力を持つ。具体的なモデルは特定されていない。

■宇佐見藤(穂志もえか)

 虎永の忠臣・戸田広松の孫娘。虎永の親衛隊の有望な若侍である忠義と結婚し、男児をもうけるが、忠義は虎永の名誉を守るため五大老たちに諫言し、子と共に切腹を命じられてしまう。打ちひしがれる中、按針の正室となる。具体的なモデルは特定されていない。

■戸田広勝/文太郎(阿部進之介)

 虎永の忠臣である戸田広松の一人息子。その戦闘能力はすさまじく、太閤の時代に行われた朝鮮出兵で弓の名手として名を馳せた。戦場では無類の強さを発揮するが、母の早い死と戦争のトラウマに耐えるため、大酒を飲み、時折暴力をふるう一面も。妻・鞠子に対し、異常なまでに嫉妬深い感情を見せる。通詞として仲を深める按針とも衝突する。明智たまの夫で戦国武将の細川忠興にインスパイアされた人物。

■村次(竹嶋康成)

 網代の村長。主君に忠実で働き者な漁師で、敬虔なキリスト教徒。謎めいた過去を隠している。実在の人物にインスパイアされているわけではないが、当時の地侍をベースにしている。当時、武士と農民の区別はかなりあいまいで、地侍は平時には農業や漁業に従事していたとされる。

■吉井長門(倉悠貴)

 虎永の息子。まだ若く、経験したことがない戦場での英雄譚に憧れを抱いている。自分を証明したいという強い願望を持ち、衝動的で、理論よりも情熱で動いてしまう性格で、他者からノせられやすい一面も。父親への狂信的な憧れを抱いているが、長門の直情的な行動が虎永らをより窮地に陥れることになる。本作では虎永の次男という設定だが、実際の家康の次男、後の福井藩藩主・結城秀康がモデルになっているわけではない。

■菊(向里祐香)

 相手をした男たちをとりこにする伊豆で一番の遊女。野心家でもあり、領主の央海と特別な関係になる。戦国時代の遊女たちをもとにした架空の人物。

■大蓉院/伊代の方(AKO)

 亡き太閤の正室。太閤の死後、出家して尼となり、「大蓉院」と改名。虎永に忠実であるが、尊い振る舞いの裏には恐ろしい秘密がある。秀吉の妻ねね(高台院)にインスパイアされた人物。

■桐の方(洞口依子)

 虎永の正室。偉大な武将である虎永にとって頼れる存在。情愛に満ち、虎永を守るという強い意志を持つ。本作では正室として描かれているが、インスパイアされたのは、戦場でも常に家康のそばにいたと伝わる側室の阿茶局(雲光院)。

■マルティン・アルヴィト司祭(トミー・バストウ)

 幼少期に日本に派遣され、日本語堪能なポルトガルの宣教師。篤い信仰心の持ち主で、虎永の通訳も務める。イエズス会の通訳兼交渉役として活躍した、ポルトガル生まれのジョアン・ロドリゲスをモデルにしている。