黒沢清監督が全編フランスロケ、フランス語で撮影を敢行した、日仏共同製作映画『蛇の道』(6月14日公開)のメインビジュアル、予告編が解禁となった。

 フランスの映画制作会社CINEFRANCE STUDIOS(シネフランス・スタジオ)とKADOKAWAによる日仏共同製作による本作は、1998年に日本で劇場公開された黒沢監督の傑作サスペンス『蛇の道』をセルフリメイクした作品。他人の復讐に協力する謎に包まれた精神科医・新島小夜子を柴咲コウ。殺された娘の復讐に燃える男・アルベールをフランスの俳優ダミアン・ボナールが演じる。

 メインビジュアルは、娘の復讐に燃える父アルベール(ダミアン・ボナール)と復讐に手を貸す精神科医・小夜子(柴咲)の姿が写し出されている。二人の手にしっかりと握られている袋には、人らしき何かが入っているようだ。アルベールは小夜子の方を、小夜子はこちらを向いており、美しい草原の景色とは裏腹に不穏な空気が漂う。いったい、小夜子は何を抱えているのか。柴咲コウの見たことのない冷たく鋭い視線に胸がざわつくメインビジュアルとなっている。

 本予告映像では、アルベールと小夜子が病院で出会い、協力して犯人と思われる男を誘拐、監禁し、徹底的に復讐を実行していく様子から始まる。「長かった復讐もゴール間近ね」とつぶやく小夜子に対し、アルベールが「君の協力のおかげだ」と感謝を伝え、この復讐は終わる、はずだった…。

 次のシーンで、娘の死はある組織の陰謀によるものだということが明らかとなると、物語は一気に加速していく。小夜子の患者である吉村(西島秀俊)は処方された薬を飲み「まさかこれ毒じゃないですよね」とニヤリと不気味な笑みを浮かべ、さらに小夜子の夫・宗一郎(青木崇高)もオンライン越しに登場するなど、復讐と並行して小夜子の身の回りで奇妙な出来事が起こっていることが垣間見え、「そろそろ ゲームを終わらせましょう?」という小夜子の台詞で予告は終わる。

 美しいフランスのロケーションに息をのむと同時に、得体のしれない緊張がラストまで疾り続ける本作。娘を殺害された父。その復讐に手を貸し、真相をともに追い続ける精神科医。精神を病んだ日本人の吉村。そしてオンラインで登場する小夜子の夫、宗一郎。類を見ないほどの徹底的な復讐の最後に待つものとは――。