落語家の桂文珍(75)が16日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で『芸歴55周年記念 吉例88 第四十二回 桂文珍独演会』概要発表会見を開いた。

 毎年8月8日に開いている恒例の独演会。「楽しみな後輩」という柳家三三(49)を迎える。文珍は披露する噺(はなし)について「何しようかな〜と考えております」とにっこり。「大谷選手のようにしっかり頑張ろうかな〜」と、大谷翔平のドジャーズで流行する「キケポーズ」で笑いを誘った。

 古典・新作ともに貪欲で、「ChatGPT」や「共生社会」といった話題も。多様性に触れては、人間界だけでなく、動物やウイルスにまで及んだ。「熊にしてみたら、冬眠して食べ物がない。目にクマができてね(笑)。動物たちから見た噺は作れないだろうか」と予告。古典の『雁風呂』を作り直して披露することも明言した

 芸歴55周年は通過点で「通り過ぎた信号の色を思い出しても意味がない。前しか向いてない。あれもしたいな、これもしたいなと“落語欲”が出るんです」と若々しく、「落語に恋してる。新しい恋人に出合ったようなときめきがあるんですよ」と落語愛でいっぱい。「落語の世界で大リーグがあれば行くんですけどね」とはにかんでいた。