医療脱毛をやってみたいけど、痛みに対する不安を抱えている人もいるでしょう。痛みの感じ方は人それぞれのため、痛みの度合いは一概にはいえませんが、全く痛みがないということはありません。では、脱毛時にはどのような痛みがあるものなのか。痛みを感じやすい部位や痛みを感じにくくする方法などについて、共立美容外科の遠山貴之さんに聞きました。

◆ゴムでパチンと弾かれたような痛み…痛みが強い部位は?

 脱毛の痛みの度合いは、施術方法や部位によって変わります。エステサロンでは「光脱毛」という施術で、比較的に痛みが少なく、ほとんどの方にとって耐えられない痛みではありません。医療脱毛は主に「レーザー脱毛」で、光脱毛よりも照射力が強く痛みも強い傾向にあります。また「ニードル脱毛」という施術法もあり、これは毛穴に直接電流を流すため、他の2つよりも痛みが強いです。

 脱毛の痛みは、「ゴムで弾かれたような痛み」と言われることが多いです。脱毛の照射は1つの部位に対して、一度で一気に行うわけではありません。例えばワキ脱毛の場合は、1回の施術で5〜10回程度の照射が行われます。1回1回の照射は一瞬で、何度も照射しながら部位全体の施術を行うため、パチンパチンと痛みが続きます。

 ワキやVIO、ヒゲの脱毛は、一般的に痛みが強いと言われています。「毛が太く濃い」「神経や血管が集中している」「皮膚が薄くデリケート」といった点が、痛みを強く感じる理由として挙げられます。光脱毛やレーザー脱毛はメラニン色素に反応して毛根に熱を与えるため、毛が太く濃い部位はメラニン色素により反応しやすく、他の部位より痛みを強く感じます。また、ワキやVIOは神経や血管が集中し、皮膚もデリケートなので、照射の熱を感じやすいです。

「共立美容外科では施術前に必ず個別でカウンセリングを行います。その際に、痛みが心配な方などへの声掛けを行っており、希望の方には麻酔やお冷やしをご準備することが可能です」(共立美容外科 遠山貴之さん)

 痛みの感じ方には個人差があります。施術後は照射によって肌が熱を持っているので、ヒリヒリと痛みを感じる場合は冷水や保冷剤で肌を冷やしてください。基本的には一時的な痛みなので、翌日には痛みが治まることが多いです。脱毛回数を重ねると徐々に毛は細く、毛量も少なくなり、照射時に反応するメラニン色素も減るので、痛みも軽減されます。

◆施術方法によって違いはあるのか? 脱毛の施術3種類と痛みの度合い

 「光脱毛」は、毛が生えている部位に照射を行い、毛を生えにくくします。レーザー脱毛よりも照射が弱く、完全に毛が生えない状態にはできません。個人差はありますが、施術回数は大体24回以上、2〜5年ほどかけて施術するのが一般的です。

 「ニードル脱毛」は、毛穴に針を刺して電流を流し、毛根の組織を焼き切る施術法で、発毛しなくなります。医療機関で受けるニードル脱毛は絶縁針脱毛で、エステサロンで受けるのは美容電気脱毛です。美容電気脱毛は絶縁針脱毛よりも弱い出力でなければなりません。針を刺して電流を流すので痛みはかなり強く、レーザー脱毛よりも痛いと感じる方が多いようです。

 「レーザー脱毛」は、皮膚科やクリニックで行う施術で、医療行為のためエステサロンでは行えません。光脱毛より高出力で照射できるのが特長で、毛母細胞に熱ダメージを与え、毛が生えないようにするので長期間の効果が見込めます。ただ、照射時のパワーが強い分、痛みも強くなる傾向があります。光脱毛は小さな輪ゴムで弾かれたような痛みで、レーザー脱毛は大きな輪ゴムで弾かれたような痛みといったイメージです。

 近年は医療脱毛が人気ですが、共立美容外科の遠山貴之さんは「唯一“永久減毛”が可能であるということが一番大きいでしょう」を理由にあげ、「最近はSNSなどでも、医療脱毛とエステ脱毛の違いなどを解説するコンテンツも増え、一般の方が昔よりも脱毛についての理解が深まっていると感じます。また、エステ脱毛によるトラブルも社会問題になっている背景もあります」と言います。

「医療脱毛では、施術を行うのは看護師や医師などの医療従事者です。そのため、肌質・毛質・毛量などを医学的見地から診断し、最適な施術を行うことができるうえ、万が一何かしらの肌トラブルが発生した場合でもその場で迅速に医療措置を施すことが可能です。また、施術に用いる機器も医療現場で実際に使用されているものになりますので、高い安全性と性能が確保されています」

 大前提として施術を受ける前には、肌質や状態をチェックし、痛みを受けにくい肌の状態にすることが大切です。肌の保湿ケアもそうですが、肌のコンディションを整えておくことも重要です。日焼けをした皮膚はメラニン色素の量が多いため、熱が集まり痛みが強くなることもあります。また医療脱毛の場合は、クリニックによっては施術時に麻酔クリームや笑気麻酔の処置が行えるので、それもひとつの方法でしょう。ただし肌のヒリつきや赤みがひどく、なかなか治まらない場合は、施術を受けたエステサロンやクリニックに必ず相談するようにしましょう。

「医療脱毛は安全に行う環境が整えられているからこそ、極度の日焼けや肌荒れなどがある方は医師の診察の上お断りするケースもあります。肌状態に悩まれている方は、一度クリニックに相談されてみると良いでしょう。また、医療脱毛は価格が高いと言われているデメリットもありますが、共立美容外科では、すべての方に効果的な医療脱毛サービスを受けてもらいやすいプランをご準備しています」(共立美容外科  遠山貴之さん)

共立美容外科 遠山貴之さん
日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医
1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。