あなたの最適な暮らしはどんなものでしょうか。
愛しいものやペットに囲まれた暮らし? それともコンパクトにスッキリ暮らしたい?
自分らしいスタイルを見つけた、パーソナルスタイリスト・永嶋ななさんの暮らしをご紹介します。
お話を伺ったのは・・・
永嶋ななさん(48歳)
アパレル会社勤務を経て、パーソナルスタイリストとして独立。夫、息子の3人と、猫3匹とともに暮らす。
ほどよい距離感が快適猫3匹との共同生活
8年前から保護猫と暮らしている永嶋さん。
道路の拡張工事で自宅を建て替えることとなり、「人も猫も暮らしやすい家」を建築家に依頼しました。重視したのは、猫の習性を生かした構造と、人の空間との線引きです。
「以前はキャットタワーを置いていましたが、部屋が狭くなるし、圧迫感もありました。また、寝室に猫が入ると、早朝に起こされたり、掃除もたいへんで」
そこで、壁や窓際、家具の隙間を利用して猫のためのスペースを設置。個室や寝室には猫が入れないようにし、それ以外は猫と人で空間を共有する形に。 「家のどこにいても、猫の存在を感じられるのが楽しいですね」
光と風が通り抜ける2階のLDKは開放感たっぷり。
細々としたものは作り付けのキャビネットに無印良品のケースを入れてスッキリ収納。壁に貼った合板は猫の爪とぎ用であると同時に、木のぬくもりも感じさせてくれます。
猫の毛対策に欠かせない粘着カーペットクリーナーは壁掛けで、すぐ手に取れるように。
「掃除は、モップと水拭きで。クッションなども水拭きできる素材を選びます」
猫たちが年をとったら「キャットウォークを下のほうに付け替えてもいいかな」と永嶋さん。猫も人も、無理なく自然に楽しめる暮らしが続きそうです。
空間を線引きして猫も人も心地よく幸せに
3Fには、永嶋さんの寝室の壁を利用したキャットウォークがあり、廊下を挟んで吹き抜けになった反対側の合板の壁には、あとから取り付けた猫の遊び場が。
廊下の手すりの外側にも猫が歩けるスペースを確保。
撮影で大活躍のしし丸。しし丸&マルの娘、あられは電子レンジの上が定位置。
キッチン・リビングは安全&掃除をしやすく
猫たちが火のまわり来ないようシールドを。
ごみ箱は蓋つき。ごみ箱に入っているものを誤飲などしないように。
ダイニングのいすは収納できるので掃除がしやすく省スペースに。
コンパクトな3階建。猫は個室と寝室以外は自由に移動できます。
猫のためのスペース(グレー部分)もあちこちに。
ガラスを上手に利用
玄関はすりガラス。外から帰ってきたときに猫たちがいるかどうかがわかるので、ドアを開けたときに外に出てしまうのを防げます。
玄関から2階へと続く階段は大きなガラス張りだから光が入り明るく、外にいるのが好きな猫の習性もカバー。
猫の習性を生かした構造
窓枠は猫が歩ける幅を確保。ターンができるようにと、角に丸い板を後から取り付け。透明なので猫の位置が下からも確認できます。
手前の四角い合板は下を見下ろすのが好きな猫のために。
テレビの下の台にコード類をすっきり収納。掃除しやすく、猫がコード類にいたずらする心配もなし。
テレビの棚の下に隠れるマル。棚などはあえてスペースを残しています。
通気性良く快適に
蹴り上げのないスリップ階段は猫の居場所になるうえ、圧迫感がなく◎。また通気性がよく、猫のトイレスペースのにおいも気になりません。
猫が外に出ないように窓を工夫。
猫アレルギーの息子さんの部屋には入らないようにドアを閉めているので、金網付きの小窓を開けて換気。
撮影/白井裕介 文/寺本 彩 イラスト/はまだなぎさ
※大人のおしゃれ手帖2024年5月号から抜粋
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