山田太一の長編小説「異人たちとの夏」(新潮社刊)を、監督/脚本家アンドリュー・ヘイの手により再映画化した、映画『異人たち』。この度、本作で運命的に惹かれ合う2人、アダムとハリーを演じた、アンドリュー・スコットとポール・メルカルが本作について語る特別映像が公開された。

この度公開されたのは、アダム(アンドリュー・スコット)とハリー(ポール・メルカル)の2人が惹かれ合い、互いを受け入れていく様子を描いた特別映像。ロンドンのタワーマンションに暮らす40代の脚本家・アダムは、子供の頃に両親を交通事故で亡くしたトラウマから悲しみと孤独を纏っている。そんなアダムと出会い、恋に落ちていくハリーは、どこか儚げな空気が感じられる一方で、少年のような無邪気さも併せ持つミステリアスな男性。誰よりも繊細で優しいが故に傷つきやすく、他者とのつながりを求めながらもそれを恐れる2人は、互いの心の奥底にある孤独を見出し、つながりを深めていく。

アダム役を演じたのは、本作で第81回ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされたアンドリュー・スコット。アダムと心を通わせていくハリー役は、いま最も注目を集める俳優の一人、ポール・メスカルが演じた。メスカルはアイルランド出身で、『aftersun アフターサン』で第95回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて以降、リドリー・スコット監督の『Gladiator 2』、クロエ・ジャオ監督の『Hamnet』、リチャード・リンクレイター監督の『Merrily We Roll Along』など、錚々たる作品への出演が控えている。

そんな彼が本作で魅せる繊細な演技にアンドリュー・ヘイ監督も魅了されたようで「ポールは名優だ。絶妙なバランスで繊細さと強さを併せ持ち人を引き付けるんだ」と絶賛する。親密なシーンも多く、複雑な関係性を演じる必要のあったアンドリュー・スコットはメスカルとの共演を「ポールと僕の課題は経歴を多く語らず相性を示すことだった。愛を演じるというのがいい。美しいものだからね」と振り返り、約20歳も年の離れた若い才能の虜になったことを明かす。

メスカルはアダムとハリーの関係性について「彼らの孤独はお互いを映し合っていると思います」と分析。自身が演じたハリーという役について「もっと幸せになれるのに自分を隠して性に奔放な生活をしている」「ドラッグやアルコールの問題を抱え、追い詰められている。僕自身や友人たち、そして世の中の若者たちの中に、彼の存在をわずかに感じることがあります」と捉え、自身にとってひとつの“役”以上の想いを持って演じたことを明かしている。

「大事なのは愛し合おうとすること。人生は有限だからできるだけ愛することさ」。そう語るスコットの言葉に続き、「愛する人々との絆を諦めずに求め続け、人生で孤立しないこと。信じる勇気も必要だ」と語るメスカル。豊かな色調と陰影に富んだ35mmフィルムに映し出される映像には、孤独のなかに差し込む一筋の希望の光かのように琥珀色の光がきらめく。リアルとファンタジーの狭間へと誘う夢幻的な本作に期待が高まる。

映画『異人たち』は、2024年4月19日(金) 日本公開。

作品情報 映画『異人たち』

ロンドンのタワーマンションで暮らすアダムは、12歳の時に交通事故で両親を亡くした40代の脚本家。それ以来、孤独な人生を歩んできた彼は、在りし日の両親の思い出に基づく脚本に取り組んでいる。そして幼少期を過ごした郊外の家を訪ねると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で住んでいた。その後、アダムは足繁く実家に通って心満たされるひとときに浸る一方、同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちていく。しかし、その夢のような愛おしい日々は永遠には続かなかった‥‥。

監督:アンドリュー・ヘイ

原作:「異人たちとの夏」山田太一著(新潮社刊)

出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイ

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 

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2024年4月19日(金) 公開

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