DDTプロレスのシングル最強を決めるトーナメント「KING OF DDT〜20th Anniversary」が5月5日、東京・後楽園ホールで開幕した。前年度覇者のクリス・ブルックスは同じシャーデンフロイデ・インターナショナルの正田壮史を退け1回戦を突破し、連覇を誓った。

 DDTの若手陣のなかでは先頭切って走る正田だが、3・17後楽園ではMAOの持つDDT UNIVERSAL王座に挑むも5分弱で完敗。今回、後楽園での初のメインイベントでのシングル戦となったが、結果のみならず内容が問われる一戦となった。
 
 正田はゴングが鳴ると同時に走り込んでドロップキック、エルボー連打。クリスは場外戦になると、柵にぶち当て、パイルドライバーを一閃。リングに戻ると、正田はプランチャ、スワン式ミサイルキック、ジャーマン、ミドルキック連打と猛攻。クリスは張り手を連発すると、腕十字から足を取って複合技も正田がなんとかエスケープ。正田は正田のチカラKOBEムキムキを繰り出すもカウントは2。クリスは雪崩式ダブルアーム・スープレックス、パイルドライバーで反撃。正田は再び正田のチカラKOBEムキムキを狙うも、回避したクリスは後頭部への蒼魔刀。サポーターを外して生ヒザでの蒼魔刀から、プレイングマンティスボムを繰り出して3カウントを奪取した。

 クリスは「記者会見でのコメント、いっぱい悪いこと言った。だけど全部ウソだよ。頑張ってほしかった。1ヵ月前、UNIVERSAL挑戦したね。試合は4分くらいじゃない。でも今日はホントに頑張ったね」と正田の健闘を称えた。そして「その悪口はウソだけど、今年もKING OF DDT優勝します。それは本当です」とマイク。

 バックステージでクリスは「マサダに頑張ってほしかった。強かったね。次(5・11横浜)はエンドー(遠藤哲哉)、バーニングスター・プレスはすごい。でもエンドーはそれだけだと思う。それとバーニングだけ。絶対に勝ちます。優勝します」とキッパリ。

 1回戦で散った正田は「去年と一緒で1回戦で負けちゃって。クリスがパパと息子の関係はそのままだよみたいな。絶対に子どもは父親を超えないといけないんです。いつになるかわからないけど、絶対にクリスを超える。その先にはKING OF DDT、D王を勝ち抜きます。悔しい気持ちは増えちゃったんで、なんとか這い上がってみせます」と唇を噛んだ。

 また、遠藤と男色ディーノの一戦は、戦前、遠藤が「苦手」と口にした通り、ディーノの男色殺法にたじたじ。ディーノは遠藤のトランクスを剥ぎ取り、試合を優位に進める。ディーノの尻にセコンドの大石真翔が誤爆すると、立て直した遠藤は旋回式ト―チャーラックボム。遠藤はバーニングスター・プレスを狙うも、ディーノは縦にうつぶせになり防御。すると遠藤はディーノのアンダータイツを脱がせて全裸に。そのまま遠藤はディーノの尻めがけてバーニングスター・プレスを投下し、3カウントを奪った。

 遠藤は「僕が男色ディーノ選手を“DDTの母”と呼んだのは、DDTの全選手に無償の愛をくれるんです。その愛に今日は応えたと思います。会見で認めてる6割、認めてない4割と言ってたんですけど、残りの4割、今日の試合でわかりましたか? わからなかったら何度でもやりましょう。僕は何度でもあなたの愛に応えるつもりです」と話した。そして「2回戦、クリス。試合見てたんですけど、1回戦とは毛色の違う試合になりそうですね。男色ディーノ選手のすべてと自分のすべてを出し切ったつもりなんで、もう隠すものはない。次の試合もすべてをさらけ出して、クリス選手に勝って優勝します」と語った。
 
 なお、遠藤vsディーノ戦後、7・21両国国技館に参戦するエル・デスペラード(新日本プロレス)が電撃来場。デスペラードは6月10日に後楽園でプロデュース興行を開催するが、その招待状2枚をディーノに渡した。パートナーはディーノに委ねられることになった。
 
【大会名】KING OF DDT〜20th Anniversary〜1st ROUND
【日時】2024年5月5日(日)
【会場】東京・後楽園ホール
【観衆】1,025人(満員)

▼第一ダークマッチ 15分一本勝負
高尾蒼馬&○中村圭吾&高鹿佑也 vs 夢虹&イルシオン&須見和馬●
9分25秒 エビ固め
※ダイビング・ヘッドバット

▼第二ダークマッチ 15分一本勝負
秋山準&○大石真翔&松永智充 vs 勝俣瞬馬&彰人&平田一喜●
0分9秒 直伝トルネードクラッチ

▼再試合 15分一本勝負
秋山準&○大石真翔&松永智充 vs 勝俣瞬馬&彰人&平田一喜●
4分43秒 直伝トルネードクラッチ

▼オープニングマッチ トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
○MAO vs ポイズン澤田JULIE●
9分16秒 体固め
※居合いキック

▼第二試合 トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
●KANON vs To-y○
11分9秒 片エビ固め
※フランケンシュタイナー

▼第三試合 トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
●上野勇希 vs 高木三四郎○
11分9秒 片エビ固め
※ストーンコールド・スタナー

▼第四試合 トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
●飯野雄貴 vs 佐々木大輔○
11分15秒 スタンディング・クロスオーバー・フェースロック

▼第五試合 トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
○樋口和貞 vs 納谷幸男●
14分12秒 体固め
※ぶちかまし

▼第六試合 トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
●HARASHIMA vs 石川修司○
13分58秒 エビ固め
※ジャイアントスラム

▼セミファイナル トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
○遠藤哲哉 vs 男色ディーノ●
18分26秒 体固め
※バーニング種付けプレス

▼メインイベント トーナメント1回戦 時間無制限一本勝負
○クリス・ブルックス vs 正田壮史●
15分53秒 片エビ固め
※プレイングマンティスボム

〈写真提供:DDTプロレスリング〉