Yoshifumi Takemoto

[東京 29日 ロイター] - 経済産業省が29日公表した1月の鉱工業生産指数速報は前月比7.5%低下し2カ月ぶりのマイナスとなり、下げ幅はコロナ禍初期の2020年5月以来の大きさだった。これまでの上昇の反動に加え、工場稼働停止などの影響で自動車工業を中心にほとんどの業種が低下した。経産省は、基調判断を従来の「一進一退」から、「一進一退ながら弱含み」に下方修正した。

<豊田自動織機の生産・出荷停止を反映>

ロイターが集計した民間調査機関の予測中央値は、前月比7.3%低下だった。

1月は自動車工業が前月比17.8%と大幅に減少したほか、一般用蒸気タービンなど汎用・業務用機械が12.6%減少、リチウムイオン電池など電気・情報通信機械が8.3%減少した。

自動車では、普通乗用車や駆動伝導・操縦装置部品の減産が目立った。大雪の影響や一部メーカーの生産停止、部品調達を理由とした減産が響いた。経産省によると、豊田自動織機の認証不正を受けた生産と出荷停止の影響も反映されている。

また、リチウムイオン電池の減産は世界的な電気自動車(EV)の生産調整の影響もあるという。

<先行き増産予想も「マイナス取り戻せず」>

企業の生産計画などを集計して算出する予測指数は、2月が前月比4.8%上昇、3月が同2.0%上昇だった。経産省幹部は「1月の大幅マイナスを取り戻す動きにはなっていない」と指摘した。

能登半島地震の影響については「1月時点では限定的だが、2月以降は不透明」(同幹部)という。

予測指数には上振れ傾向があるため、これを補正した試算値は2月が前月比0.8%増となっている。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。