Maki Shiraki

[東京 25日 ロイター] - 日産自動車は25日、2026年度(27年3月期)までの中期経営計画を発表した。同年度までに電気自動車(EV)などの電動車16車種、内燃機関車14車種の計30車種を投入し、世界販売は23年度(24年3月期)比で100万台増やす。生産の効率化などでコスト競争力を向上させ、営業利益率6%以上を目指す。

2月に発表した23年度見通しでは、営業利益率は中国合弁会社の持ち分法適用ベースで4.8%、23年度の世界販売は355万台だった。

内田誠社長は会見で、電動車とエンジン車の新型車を約半分ずつの割合で投入し、「バランスの取れた商品ポートフォリオを構築」して「売り上げを維持する」と述べた。

販売構成比率は、内燃機関車を78%から60%に引き下げる一方、ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV)は13%から、EVは9%から、いずれも20%へそれぞれ引き上げる。

イヴァン・エスピノーサ専務執行役員は、EV市場の成長は2―3年前の想定に比べると鈍化はしているが、世界では伸びており「成長は止まったのではなく、正常化している。日産はEVを加速させていく」とも語った。

<中国生産能力は輸出にも活用、合弁企業と相談中>

課題の生産効率については世界的に向上させる。中国を除いた工場の平均稼働率を78%から90%以上に改善し、26年度以降も90%以上を維持したい考え。

坂本秀行副社長は、中国を含めた工場の平均稼働率は68%で「かなり落ちる」と指摘。坂本氏は「(EVなど)新エネルギー車の展開などの様子を見て、パートナー(中国合弁企業)と生産能力を使う検討をしている」と説明した。現在はあらゆる方策を相談中で今後、適正化を図る。

坂本氏によると、生産能力は中国以外で355万台、中国は160万台。26年の中国での販売計画は23年度比20万台増の年100万台。販売だけでは中国の生産能力は60万台余るが、25年から中国からの輸出を始め、まずは10万台レベルで輸出する。

中国以外の販売では、北米・中南米地域全体で26年度までに同33万台増やし、米国とカナダで新型車7車種を投入する。日本では9万台増やし、26年度に年60万台を掲げる。

次世代のEVコストは、従来計画通り30年度(31年3月期)までに3割削減し、内燃機関車と同等コストを実現する。26年度には配当と自社株買いで株主総還元率30%も計画する。