[上海/シンガポール 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は15日、1年物中期貸出制度(MLF)を通じて満期到来分と差し引きで資金を吸収し、市場の予想通り金利を据え置いた。

1年物MLFを通じて金融機関に1000億元(138億2000万ドル)を供給。金利は2.50%で前回から変わらなかった。ロイター調査で市場関係者31人全員が金利据え置きを予想していた。

今月は1700億元相当のMLF融資が満期を迎えるため、差し引きで700億元の吸収となる。

MLF金利の据え置きは、景気回復の足取りが鈍い中で人民元相場の安定維持を目指す当局の意向を浮き彫りにしている。

3月のインフレや融資、輸出の統計は追加景気刺激策の必要性を示す弱い内容だったが、元安や米国など主要国との金利差が金融緩和の余地を狭めている。元の対ドル相場は年初から約1.9%下落している。

銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)はMLF金利に基づき算出される。

ANZの中華圏担当チーフエコノミスト、レイモンド・ユン氏は、人民銀が預金準備率や新たな再融資枠など金利以外の政策手段をこのところ活用しているため「利下げ期待が薄れている」と指摘した。

人民銀はまた、期間7日のリバースレポで20億元を供給。金利は1.80%で変わらずだった。