[ワシントン 19日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は19日、向こう3年間インフレ率は中央銀行が目標とする2%近辺で推移し、インフレが高止まりするリスクは後退するとの見方を示した。イングランド銀行の最新データでは、年後半に上昇すると予測されていた。

17日に発表された統計局データによると、3月の英国の消費者物価上昇率は前年比3.2%と2月の3.4%から鈍化。2022年10月にピークとなる11.1%を付けて以来の下落幅となった。

ラムスデン氏は「過去数カ月、インフレ動向の改善が下支えとなり、国内の持続的なインフレ圧力へのリスクが後退しているという自信を深めている」と述べた。

イングランド銀行は、エネルギー価格の下落を主な要因とし、インフレ率が4月に目標の2%に達するか、もしくはそれを下回るとする一方で、今年末までには3%近くまで上昇すると予想している。

しかしラムスデン氏は、「その予想は行き過ぎている公算が大きい」とコメント。「英国のインフレ見通しに対する国内のリスクバランスは2月の予測と比較して下振れに傾いており、インフレ率が予測期間全体を通じて2%の目標に近づくというシナリオもあり得なくはない」と述べた。

一方でサービス部門のインフレ率は6.0%と依然として高く、米国やユーロ圏のサービス部門のインフレ水準に連れる可能性が高いと指摘。ただ、米国とは異なり英国は「軟調な経済成長」が背景にあると言及した。

ラムスデン氏は「前例のない過去の状況下と同様に、引き続き慎重かつ迅速に政策決定を行う」と述べた。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今週、予想を上回るインフレ率を示す一連の経済指標を受け、FRBがインフレ2%回帰を確信するにはこれまで予想していたよりも長い時間が必要になる可能性が高いとの見解を示している。