[メルボルン 14日 ロイター] - オーストラリア政府は、レアアース開発会社アラフラ・リソーシズが同国で運営するレアアース鉱山と精製所の複合施設に最大8億4000万豪ドル(5億5000万ドル)を支出する。アルバニージー首相が14日に発表した。

主に政府融資の形で、中部のアリススプリングス北部にある事業に資金を提供する。国外機関や民間金融機関も投資する。

新型コロナウイルス禍でレアアースのサプライチェーン(供給網)が混乱し、中国からの調達リスクが高まっていることを受け、オーストラリアやその同盟国は調達先の分散化を進めている。中国は世界のレアアース生産の80%以上を占める。

アルバニージー氏は声明で「準州と北部に雇用と経済発展をもたらす」と説明した。

レアアースは再生可能エネルギーや防衛技術などに利用され、電気自動車(EV)のモーターや風力タービン、携帯電話部品などの材料となる。

豪国内ではリナス・レアアースとイルカ・リソースが既にレアアース精製事業を展開しており、アラフラの精製所は3番目となる。

アラフラは現代自動車、起亜自動車<000270.KS>、シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーと既に供給契約を結んでいる。ゼネラル・エレクトリック(GE)とも仮契約を結んでいる。