[ジュネーブ 9日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のシュレーゲル副総裁は9日、中銀が実施する為替介入について、インフレ圧力とデフレ圧力の両方を防ぐ上で重要な手段との見方を示した。

シュレーゲル氏によると、スイス中銀は2023年、スイスの国内総生産(GDP)の17%に当たる1330億スイスフラン(約1470億4000万ドル)相当の外貨を売却した。

こうした措置はスイスフラン相場を押し上げ、輸入品が安くなることで物価上昇の抑制につながる。先週発表されたデータによると、3月のインフレ率は1.0%に低下し、中銀が物価安定と定義する0─2%の目標範囲内に収まった。

シュレーゲル氏は国際通貨銀行研究センター(ICMB)のイベントで「為替介入は物価の安定に貢献しただろうか。答えはイエスだ」とした上で「外貨売却をしなければ、政策金利をもっと高い水準に引き上げなければならなかっただろう」と語った。

インフレ鈍化を受けて、スイス中銀は先月、主要金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ1.50%とすることを決定。現在の経済サイクルで、主要中銀として初めて利下げに踏み切った。