香港初の大規模ボーイズグループ・MIRROR。2018年にサバイバルオーディション番組『Good Night Show 全民造星』をきっかけにデビューし、地元で人気と実力を高め続けてきた彼らが2023年春、満を持してここ日本含む各国でグローバルデビューを果たした。今回のインタビューでは、12人いるメンバーの中から4人がエピソードゼロから今現在の心境や新曲、好きなJ-POPや日本のアニメ、今後の野望について語ってくれた。

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−Rolling Stone Japan初登場のインタビューということで、基本的なところから掘り下げさせて下さい。皆さんそれぞれ音楽の世界を志したきっかけは何だったんでしょう?

ギョン・トウ:小さい頃から歌手になりたかったんですけど、音楽やパフォーマンスの勉強をするチャンスがなかったんです。あと、当時はぽっちゃりしていたので(笑)、自分が歌手になろうとしてもまわりから「無理だろう」と言われていたんですよね。でも、自分はどうしても夢を叶えられることを証明したいから「歌手になる」と決心して。その結果、香港のテレビ局・ViuTVが主催するサバイバルオーディション番組『Good Night Show 全民造星』へ参加する機会に恵まれて、それをきっかけに歌手になることが出来たんですよ。今は歌もダンスも上手く表現できるアーティストを目指して頑張っています。

アンソン・ロー:自分も『Good Night Show 全民造星』がきっかけでデビューしたんですけど、そのコンテストで「絶対に自分が勝つ」とか「絶対に歌手になる」みたいな想いは一切なかったんです。ただ、みんなとダンスや歌を一緒にやっているうちに「パフォーマンスってこんなに楽しいものだったんだ!」と知ったんですよね。そういう経緯で今ここにいるんですけど、音楽は元々好きでよく聴いていて。ジャスティン・ティンバーレイクやマイケル・ジャクソンなどアメリカのアーティストからいろんなことを学んでいて、マネしてダンスもやっていたので、そうしたバックグラウンドが今の活動に繋げられたことは嬉しく思いますね。

ジョール・ラウ:自分は歌手になることがずっと夢だったんです。なので、昔から音楽はやっていて、バンド活動をしていた時期もあって。その頃から聴いてくれる人たちの気持ちに影響を与えられる音楽がやりたいと思っていたんですよね。ただ、実はこうして歌手になる前は、普通に就職して会社に勤めていたんですよ。でも、同じ作業を繰り返す人生はやっぱり自分に向いていないと思って。そんなときに『Good Night Show 全民造星』の存在を知ったので、このチャンスを絶対に逃したくないと思って参加したんです。その結果、MIRRORのメンバーとして、プロの歌手として生きていく夢を叶えることが出来ました。

ジェレミー・レイ:昔から歌もダンスも大好きで、特にK-POPの歌もダンスも楽曲もクオリティが高くてキラキラした感じは、自分にとって憧れだったんです。なので『Good Night Show 全民造星』へ参加したことがきっかけでこうしてボーイズグループの一員になれたこと、12人のメンバーで気持ちをひとつにしてパフォーマンスできていることは、まさにずっとやりたかったことだし、自分にとってすごく有難い状況なんですよね。人生の中で最も大きい夢が叶ったなと思うぐらい。そのグループの中で自分は中性的なスタイルの表現をしているメンバーなんですが、この個性を磨いてMIRRORをもっと大きくしていくことが今の目標ですね。



−皆さん『Good Night Show 全民造星』をきっかけにMIRRORのメンバーとなったわけですが、あの番組で大変だったことなど今でも印象に残っているエピソードってありますか?

ギョン・トウ:当時は学生でお金もなかったので、会場へ行くタクシー代とか高くてツラかったんですよ。でも、最終的に勝ち残って賞金がもらえたから良かったなって。お金の話ですみません(笑)。

アンソン・ロー:自分は当時、ダンスを教える先生もやっていたので、コンテストに参加しながらそれをやっていたんです。なので、1日4ヶ所ぐらいの場所を行ったり来たりしなくちゃいけなくて、でもコンテストに遅刻することは許されないから、そのタイトなスケジュールを何とかしなきゃいけないことがいちばん大変でしたね。

ジェレミー・レイ:最初の参加者が99名で、最終的に12名が選ばれたんですけど、ということは、その過程の中で落ちていく人たちがたくさんいるわけじゃないですか。みんな物凄く真剣に頑張っているから「このまま最後まで勝ち残れるのか。次で自分も落ちてしまうかもしれない」という不安は常にありましたね。なので、審査を通過できるかどうかの結果を毎回毎回待っている時間がツラかったです。

ジョール・ラウ:参加していたみんなが夢に向かって頑張っている姿を見ていて、そういう人たちがどんどん落とされて参加者が減っていく。それはやっぱり悲しいんですよ。そういう意味では、本当に残酷な番組だったと今でも思っているんですけど(笑)、自分はラッキーなことにグループに加わることができて。そして、こうしてMIRRORのメンバーになれたことにはとても感謝しているし、残れなかった人たちの分も頑張らなきゃなと今も思っていますね。

−そんな困難を乗り越えたメンバーによって結成されたMIRROR。自分たちではどんなグループだなと思っていますか?

ジェレミー・レイ:これはK-POPやJ-POPの歌手の方々との違いでもあると思うんですけど、僕らはサバイバル形式のコンテストを乗り越えたメンバーではあるんですが、グループとして音楽的な訓練を受けてデビューしたわけではないんですよ。12人それぞれにバラバラのストーリーを歩んできていて、結果的にグループとして活動することになったので。ただ、だからこそ各自それぞれに得意な部分を発揮することができていて、その多面性こそが魅力的なグループになっている。MIRRORは12人の歌もダンスもそれぞれ違うから、12パターンの個性をお見せすることが出来るんですよね。そこは単純にトクだなと思っています。ファンの皆さんも常に新鮮な発見があって飽きないと思いますし。



−では、今ここにいる4人それぞれの個性。どんなところにオリジナリティがあると思うか伺ってもよろしいですか?


ギョン・トウ

ギョン・トウ:僕は……両面性ですかね。何もしゃべらなくて静かなときもあるんですけど、クレイジーになるときもある。急に「俺は巨人だ!」とまわりからしたら意味不明なことを言い出したり(笑)。


アンソン・ロー

アンソン・ロー:自分の性格はわりとおとなしいほうで。家にいることが好きで、あちこち出かけたりしないし、スポーツもそんなにやらない。人見知りということもあって、初めて会う人とはあんまりしゃべれない。でも、ステージに立つと人が変わったように100%全力になれちゃう。


ジェレミー・レイ

ジェレミー・レイ:僕も性格的にはおとなしいほうで、あんまりしゃべれないタイプなんです。でも、ステージが好きだから、ステージではダンスと歌を通してどんな自分も表現できるんですよ。あとは、先ほどもお伝えしたんですけど、やっぱり中性的なところが僕のオリジナリティなのかなって。


ジョール・ラウ

ジョール・ラウ:自分はわりと明るいほうだと思います。遊ぶことがとにかく好きで、ゲームも好きでよくやりますし、メンバーのみんなとあちこち行くのも楽しいし。あと、笑うことが好きです。なので、ステージ上でも思いっきり走ったり、大きい声で叫んだり、そういうことを一切恥ずかしからず楽しめる。そこが僕の個性なのかなって思いますね。



−そんな個性派ボーイズグループ・MIRRORの新曲「Rumours」がここ日本含む世界各国でリリースされました。仕上がりにどんな印象や感想を持たれていますか?

アンソン・ロー:ヒップホップ的なトラックながらミステリアスな雰囲気もあって。リリックの内容的には恋愛について歌っているんですけど、それも初々しい恋愛というよりはセクシーというか、大人の恋愛が表現さているんですよね。そういう部分が今までのMIRRORにはない、新しいタイプの楽曲になっているなと思ったので、この曲を最初に受け取ったときはすごく嬉しくて興奮したことを覚えています。



−初の全編英語詞シングルになっていますが、レコーディングしてみていかがでした?

ジェレミー・レイ:初めての英語の曲ということで、僕らが香港で普段話している言葉は広東語なので、ボーカルプロデュースの先生をお招きしたんです。標準的な英語の発音をレクチャーしてもらったりして、メンバーそれぞれちゃんと時間をかけてレコーディングしました。

−「Rumours」でグローバルデビューできたこと自体には、どんな感慨を持たれていますか?

ジェレミー・レイ:とても喜んでいます。僕らはデビューして5年経つんですけど、このタイミングでMIRRORのことを世界中の皆さんに知ってもらえるわけで、今回の「Rumours」という楽曲を通してMIRRORに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。あと、僕らは世界中のいろんなステージに立ちたいと思っているので、これを機にワールドツアーが実現できたり、各国の音楽フェスにどんどん出ていけたらなって。そして、MIRRORを通して香港のポップス=Cantopop(広東ポップ)を好きになってもらって、僕らの他にも香港には素敵な歌手がたくさんいることを知ってもらいたいです。



−日本のファンが増えるタイミングでもあると思うので、こんな質問をさせて下さい。日本の音楽をはじめエンタメシーンにはどんな印象を持たれているんでしょう?

ギョン・トウ:AKB48さんの……I want you〜♪(「ヘビーローテーション」を歌い始める)あとは、世界が終わるまでは〜♪(WANDS「世界が終るまでは…」を歌い始める)

ジョール・ラウ:まわれ まわれ メリーゴーラウンド♪(久保田利伸 with ナオミ・キャンベル「LA・LA・LA LOVE SONG」を歌い始める)慣れ親しんで聴いてきたJ-POPはたくさんありますよ。個人的には、平井大さんの曲に最近ハマってます。

アンソン・ロー:あと、Netflixのドラマ『First Love 初恋』が香港でも今流行っていて、宇多田ヒカルさんの「First Love」はみんなよく聴いていますね。

ギョン・トウ:J-POPは昔から今に至るまであたりまえのように聴いています。あと、日本のアニメも大好き!

−例えば?

ギョン・トウ:『SLAM DUNK(スラムダンク)』! あとは……『進撃の巨人』『DEATH NOTE(デスノート)』!

アンソン・ロー:『ONE PIECE(ワンピース)』に『NARUTO -ナルト-』も! 好きな日本のアニメもたくさんあります!

ギョン・トウ:だから、僕らの曲が日本でリリースされることは本当に嬉しいんですよ。しあわせ!

ジョール・ラウ:近々『THE FIRST TAKE』に出演させてもらうんですけど、それもすごく有難いことですね。全力でパフォーマンスするので、日本の方たちにぜひ観てもらいたいです!



−では、最後に、MIRRORの今後叶えたい夢や野望がありましたら聞かせて下さい。

ジェレミー・レイ:来年にはワールドツアーを本当に実現したい。なので、日本でも絶対にライブができるようにしたいです。あと、日本の夏フェス「SUMMER SONIC」が大好きなので、いつか僕らも参加できたら嬉しいですね。世界最大の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」にも出たいし、そうした大きいステージにどんどん立てるようになって、僕らの音楽はもちろん、Cantopop(広東ポップ)を世界中に広めたいです。

ギョン・トウ:(日本語で)絶対にできる!


<リリース情報>



MIRROR
「Rumours」
配信中
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