柴田旺山さん

 邦楽聖楽会(柴田俊子会長)の第60回記念定期演奏会が、12日午後2時から佐賀市のアバンセで開かれる。日本の響きを地域で守り未来へつなげようと、会員らが邦楽9曲を演奏する。

 同会は1956年、初代会長の故・柴田聖山さんと妻の俊子さんが創設した。箏(そう)、尺八、三絃、横笛の奏者約50人が所属し、地元小学校や生涯学習の場での指導を通して邦楽の普及にも当たっている。定期演奏会はコロナ禍などで延期し、開催は2018年以来。

 宮城道雄作曲の「編曲八千代獅子」で華々しく幕を開け、山川直春作曲の「ふるさとの春」などで季節を感じさせる。平成「即位の礼」園遊会でも尺八を演奏した事務局長の柴田旺山さんが作曲した「海響」は、父・聖山さんが幼少期に親しんだ海をイメージしてつくったという。今年95歳になる俊子会長も出演する。

 旺山さんは「初代会長は佐賀の邦楽文化のため、継続の重要性を語っていた。記念の演奏会に向け、出演者も一生懸命練習を重ねている」と話す。

 入場料は千円。問い合わせは邦楽聖楽会本部、電話0952(30)2866。(花木芙美)