能登半島を訪れた西九州大の学生が現地での活動を報告した=神埼市の同大神埼キャンパス

 1月に発生した能登半島地震の被災地でボランティア活動を続けている西九州大の学生らが14日、活動報告会を神埼市の同大神埼キャンパスで開いた。現地で見てきた被害の大きさや、被災者の疲れを癒やす「足湯」を通じて支援のニーズをくみ取った体験を発表した。

 活動しているのは、同大の被災地支援グループ「OKBASE(オカベース)」。2019年の佐賀豪雨を契機に発足し、同大社会福祉学科の岡部由紀夫准教授が代表を務める。石川県能登地方には5月上旬まで計6回訪れ、学生や教員ら延べ12人が他団体と連携しながら活動した。

 報告会では同科の学生4人が発表した。4年の溝口素世さん(21)は、4月下旬から5月上旬まで被災地に入り、亀裂が入った道路や液状化の影響でマンホールが高さ1・5メートルまで隆起していた様子を紹介した。足湯やハンドケアで被災者をサポートし、「現場で感じることや、被災者の声を聞くことで分かることがたくさんあった。今後も活動していきたい」と話した。

 3年の南里紗希さん(20)は足湯の活動を通じ、「トイレの水がまだ出ない」「仮設ではみんなが集う機会や場所がない」といった被災者の本音にも耳を傾けたと語った。「少しずつ復興に向かっているが、今でも支援が届いていない場所もある」とし、足湯ボランティアの担い手が増えることを願った。

 オカベースは今後も能登地方での活動を続ける。岡部准教授は「被災者の思いに寄り添うことは福祉の心にも通じ、生の声を聞くことが学生の学びになっている」と話す。(円田浩二)