埼玉県は県内62市町村(さいたま市除く)の今年4月1日時点のラスパイレス指数を公表し、越谷市は103・3で全国の市町村中1位となった。ラスパイレス指数は国家公務員を100とした場合の地方公務員の給料水準を示し、100に近づけることが望ましいとされる。大野元裕知事は16日の会見で「住民の理解と納得が得られる水準であることが重要。越谷市については引き続き強く働きかけたい」と述べ、改善を求める考えを示した。

 総務省によると、県は100・4で全国の都道府県中8位(前年は4位)、さいたま市は101・3で全国の政令指定都市中6位(前年は5位)だった。県市町村課によると、62市町村の平均は99・6。県内2位は所沢市(101・5)、3位は川越市(101・4)、4位は川口市と狭山市(101・3)だった。

 4年連続で県内1位となった越谷市の担当者は「学歴に関係なく能力のある職員は昇給させている。高卒の部長もいるが、国ではそういう人はいないと思う。初任給も国と同じだと職員が集まらないので、高めにしている自治体は他にもある」と指数が高くなる背景を説明。一方で「給与平均で見ると高くはなく、市民から預かった税金を悪く運用しているわけではない。指数を100に近づけるべきと理解しているが、まずはきちんと仕事を果たすことが重要と考えている」と話した。

 2018年から2年連続で全国の中核市で1位だった川口市は、20年に独自に給料表を改定した。担当者は「指数が高くなる40代以上では給料を引き下げ、若年層では引き上げた。結果、翌年の指数が1・3ポイント下がった」と説明。能力の高い職員の確保が困難になったり、新規職員の志望者が減ったりする影響はなかったという。

 県のラスパイレス指数は前年の100・7から0・3ポイント下がった。県人事課の担当者は「常に給料水準の適正化に取り組んでいる」としつつ、指数の変動については「指数が高くなる団塊の世代の職員が抜け、職員構成が変化したためではないか」と話している。