<井手春希アナウンサー>
「きょうのしずおか産は富士山のふもとにある農園が作った、ピクルスです」

その名も「ごちそうピクルス」。肉料理や魚料理用などに主に静岡県東部で採れた野菜を漬けました。作ったのは御殿場市にある農園です。

<かつまたファーム 勝亦健太さん>
Q.広いですね?
「1万本ぐらいを生育するハウスになります。トマトだけで今年8種類栽培をして」

ほかに、サツマイモや水かけ菜なども栽培する中、勝亦健太さんは、育てた野菜の価値をより高める方法はないか考えていました。

<かつまたファーム 勝亦健太さん>
「旬の時に農家は忙しくて、大量に出回るから値段は下がるうえに、届けられる距離も遠くまではいけない。農業のジレンマになっている。ピクルスのような保存性の高い食品に加工することで、賞味期限を延ばすことができる」

ピクルス作りは、栄養士の資格を持つ妻の和歌子さんが担当します。

<かつまたファーム 勝亦和歌子さん>
「漬物専門の加工場に自宅の一角を切り替えて作業しています」

野菜のカットから、下ゆで、漬ける液の味付けまで製造は自分たちで。和歌子さんは「しずおからしさ」を大切にします。

<かつまたファーム 勝亦和歌子さん>
「しょうゆが一番、決め手になる材料」

肉料理用には、地元の老舗の醤油を使いました。

<かつまたファーム 勝亦和歌子さん>
「コクがあって、香りが本当に豊かなので、(塩味は)しょうゆの塩分だけで完成させる」

酢のほかに使うのは砂糖、ハーブと種類を抑え、しょうゆの味を際立たせます。

勝亦さんおすすめのポークソテーと一緒にいただきました。

<井手春希アナウンサー>
「全部入れてしまうんですか? 彩りがきれいですね」
「いろんないい香りがふわっと通って、御殿場の醤油も甘辛い感じが味付けにも染み込んでいて。ピクルスが本当に肉に負けていないです」

キュウリや大根のピクルスには別のしずおかの味が。明治時代から続く静岡市の削り節屋、西尾商店です。

<西尾商店 西尾透雄さん>
「生のかつおを焼津で作り、カツオ節にしています」

そば店をはじめ500以上の飲食店に魚の削り節を提供したり、出汁のもとを調合しています。

「強い旨みが欲しい」という勝亦さんの依頼を受けて、かつお節、さば節、煮干しなどを組み合わせたピクルス液のもとを作りました。

<西尾商店 西尾透雄さん>
「かつおは香りを担当、さばや煮干しのうま味を相乗効果を狙いました」

<井手春希アナウンサー>
「優しい色合いからは想像できないぐらい、じゅわって、いろんな出汁の深い味わいが広がります」

勝亦さんは、ピクルスでしずおかの食材の魅力をもっと伝えたいと考えています。

<かつまたファーム 勝亦健太さん>
「海の幸がすごい豊富だし、ジビエや富士山の周辺だと牛、豚、鶏、全て盛ん。(材料として)もっともっと広がりそうな気がしている」

<かつまたファーム 勝亦和歌子さん>
「本当においしいしずおかのものをぜひ、いろんな地域の方に食べていただきたいと思いは強く持っている」