初心者向けにお城の歴史・構造・鑑賞方法や、お城の用語など、ゼロからわかりやすく解説する城びとの連載「超入門!お城セミナー」。今回は、城内で弓や鉄砲を使用する際に重要な防御設備、狭間の解説です。

カワイイけれど攻撃的!城を守る狭間
石垣で囲まれた近世城郭の土塀に開けられた色んな形の小窓。例えば姫路城の長い白壁にはまるでアート作品のように丸・三角・四角の小窓が並んでいます。今回は、あの小窓にどんな用途があるのか探ってみましょう。

ちょっとカワイイあの小窓は、城へ攻めてくる敵を壁の内側から狙い撃ちするために開けられた、「狭間(さま)」というれっきとした軍事設備なのです。

狭間は、2種類に大別されます。縦に長い長方形のものは矢を放つための「矢狭間」、このほかのものは鉄砲用の「鉄砲狭間」となります。さらに鉄砲狭間には円形の「丸狭間」、三角形の「鎬狭間(しのぎさま)」、正方形の「箱狭間」の3種類があります。

この3つの形については、使い分けがあるのかどうかわかっていません。戦に明け暮れた戦国武将たちの精神を支えた「禅」の奥義は「○△□」で表わされることがありますが、この3つすべてが並ぶ姫路城(兵庫県)の城壁は、そんな意味が込められているという説もあるとか。