崎陽軒のシウマイ弁当は「子供の頃から身近な存在」だったという小宮山雄飛
崎陽軒のシウマイ弁当は「子供の頃から身近な存在」だったという小宮山雄飛
今年で発売から70周年を迎える横浜名物、崎陽軒のシウマイ弁当。おかずが多彩で食べ方や楽しみ方が無限に広がり、ファンも数多い。というわけで、この節目にあらためて、著名人ラバーたちに「こだわりの食べ方」を聞いてみた! 6回目は食通として知られるホフディランの小宮山雄飛さん!

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■しょう油をシウマイに刺して注入して味わう

僕は東京生まれなので、シウマイ弁当は子供の頃から身近な存在でした。子供の頃は今ほど駅弁の種類もなかったので「駅弁といえば!」という関東を代表する弁当のひとつという認識でした。なんといっても酒のツマミになるのがスゴイ! ひとつひとつのおかずをアテに、ビールや日本酒をチビチビやるのが楽しい。さらに冷めたごはんがまた酒のツマミになる。

とにかくシウマイにはできるだけ手をつけない。お花見弁当って花を見ながら食べる弁当ですよね。シウマイ弁当も同じ。シウマイを見ながら食べる弁当なんです。シウマイを目で愛でながら、筍煮でビールをごくり。蒲鉾をちょこっとかじって、またビールをごくり。千切り生姜をつまんで、日本酒をちびり。これをできるだけ繰り返して、シウマイを温存しておく。そうやってじらしてから、ついに食べる1個のシウマイがこれまたおいしいのです。

しょう油を刺して中に注入することで、全体がしょう油の味になることを避けられる
しょう油を刺して中に注入することで、全体がしょう油の味になることを避けられる
こだわりは、しょう油をシウマイに刺して注入すること。普通にしょう油をつけると、口に入れたときに、先にしょう油の味がきてしまいますが、注入することで、最初は純粋にシウマイの味を楽しめ、その後にしょう油による味変が楽しめます。

昔は、辛子は均等づけ派でしたが、最近は一点豪華主義に変わって、4個そのまま食べて、最後の1個にすべての辛子をつけます。崎陽軒の辛子は洋辛子風でそこまで辛くないので、最後の1個に集中させて、オリジナルのカラシウマイを作るんです。これがウマい!

●小宮山雄飛 
ホフディランのボーカル、キーボード担当。テレビ、ラジオ出演、コラム連載などを多数こなす。食のシーンでも活躍し、崎陽軒と福井県のコラボ弁当「福笑御膳」の開発にも参画

取材/渡辺ありさ 撮影/松田嵩範