[フレンドリーマッチ]神戸0−2バルセロナ/6月6日/国立競技場
 
 6月6日、フレンドリーマッチとして国立競技場で神戸とバルセロナが対戦し、来日して即試合というコンディション面が不安視されたバルセロナが前半の2ゴールで勝利した。

 神戸は7月1日の札幌戦を最後にチームを退団することを発表しているイニエスタを軸にチャンスを作ったが、ゴールは奪えなかった。

 それでも試合終盤に、81分からピッチに立った武藤嘉紀が決定機を迎える。後方の大迫勇也からのスルーパスに抜け出し、エリア内で相手DFと対峙。ステップ踏みながらシュートを放ったが、ネットは揺らせなかった。

「(相手の)対応が上手かったですね。久しぶりに感じたと言いますか、キックフェイントを入れても、ブレずにというか、良いところを消されていたので、してやられたなと」

 悔しさと高いレベルの相手と戦えたことの喜びが、武藤の言葉には溢れていた。 
 
 バルセロナは前述の通り、スペインで週末の試合を戦い、飛行機に飛び乗り、日本入り。準備がままならいまま試合を迎えていた。だからこそ武藤も振り返る。

「久しぶりにトップ・トップの選手とマッチアップしてワクワクしました。ただ見てもらえれば分かるように、相手は本気ではなかった。そういった意味で本気の相手とやりたかったという想いはあります。

 でもここから得られるものは、本気の彼らじゃなかった分、難しいと思いますが、若い選手には何かを感じとってもらいたいです。世界との差、5割くらいでやってあれだけ上手いので、その差を感じてもらいたいです」

 そうこの試合の価値を口にする。

 またイニエスタにとっては古巣戦として注目されたゲームで、武藤も改めて先発した背番号8の素晴らしさを口にする。

「第一戦でずっとやり続けている。世界トップの選手にも関わらず天狗にならずに淡々とプレーする。本当に素晴らしいと思いますし、あのレベルの選手で、あのような人柄の選手ってまずいないと感じます。一緒にプレーできて、生活できて、僕のサッカー人生で間違いなく財産でしすし、これ以上素晴らしいプレーヤーと一緒にプレーできることはまずないと思います」

 イニエスタとともにプレーできるのは残り約1か月。改めて偉大な選手の姿を目にし、そしてバルセロナ戦の経験を生かして、神戸には成長速度を高める選手もいるだろう。チームとしてのさらなる上積みにも期待だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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