「ヨーロッパは努力を認めない」

 あくまで鄭大世氏の持論である。かつてドイツのボーフムやケルンでプレーした経験を基に、同氏はそう言ったのだ。

「日本は努力を認める。このギャップに戸惑う日本人選手はいると思います。僕がやってきたヨーロッパの監督は最初から選手を分けてしまう。

この選手は放出、この選手はメンバー外だからアンダーのチームに送るとか、序列が覆ることはほぼないです。メンバー外からスタメンになるケースはなくはないですが、比率で比べると日本とはまるで違います」
 
 日本の場合、「サブで頑張っている選手を使ってあげよう」というケースがあると鄭大世氏は言う。

「日本人監督なら、最近使えてないけどアイツは練習を頑張っているから“情”で起用する場合がある。それが、日本人の心情なのかもしれません」

 ヨーロッパと日本のそうしたスタンスの違いを把握し、受け入れることも、欧州挑戦で成功する秘訣なのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
【記事】町田のサッカーの何が悪いのか。守ってばかりじゃないか、シュートも少ないじゃないかと批判的な声もあるが…【コラム】

【記事】「サッカー選手として一番難しいことをやっている」長谷部誠の何が凄いのか、昌子源が体験談を基に回答