U23アジアカップ中国戦で1点守り切る

3位以内に入ればパリ五輪出場が決まる男子サッカーの「AFC U23アジアカップ カタール2024」に出場中のU-23日本代表が、16日のグループステージ第1戦で中国を1−0で下した。

日本は前半8分に松木玖生(FC東京)のゴールで先制したが、同17分に西尾隆矢(C大阪)が相手選手に肘打ちしたとして一発退場。10人となってからは中国に決定機を作られる場面もあったものの、どうにか1点を守り切った。

何度もビッグセーブを見せてゴールを許さなかったのがGK小久保玲央ブライアン。ポルトガルのSLベンフィカに所属する23歳だ。

ナイジェリア人の父親と日本人の母親の間に生まれた小久保は、柏レイソルU-15、柏レイソルU-18を経て、2018年に柏レイソルのトップチームに2種登録選手として登録。2019年にSLベンフィカU-23に移籍し、2022年5月には初めてトップチームでベンチ入りした。

川口能活、楢崎正剛、権田修一らが五輪で活躍

GKが目立つことはそう多くないとはいえ、過去の五輪代表でも時代を彩るGKが活躍してきた。銅メダルを獲得した1968年メキシコ五輪以来の出場となった1996年アトランタ五輪では川口能活だった。

当時、五輪の優勝経験がなかった王国ブラジルとの初戦。悲願の金メダルに向け、ブラジルはベベット、リバウド、ジュニーニョらが次々にシュートを放ったが、川口がゴールマウスを死守した。「マイアミの奇跡」と語り継がれる金星は川口なしにはあり得なかった。

2022年のカタールワールドカップで活躍した権田修一(清水)も2012年ロンドン五輪に出場。準々決勝まで4試合連続無失点でベスト4入りに貢献したが、メキシコとの準決勝、韓国との3位決定戦で敗れ、メダルは逃した。

レギュラーを奪うのが難しく、フィールドプレーヤーに比べて選手寿命も長いGKは、五輪ではオーバーエイジ枠から選ばれることも少なくない。2000年シドニー五輪では楢崎正剛、2004年アテネ五輪は曽ヶ端準が背番号1をつけた。

過去を振り返るまでもなく、五輪に出場してA代表でもレギュラーをつかんだ例は、GKに限らず枚挙にいとまがない。今年1月のAFCアジアカップで正GKとして全試合に出場した鈴木彩艶(シント=トロイデン)も2021年東京五輪でメンバー入りしていた。

小久保は中国戦の活躍で今後、鈴木彩艶を脅かす存在になる可能性もある。身長193センチの大型GKはチームをパリ五輪に導くか。さらにその先、未来の日本代表の守護神としての活躍も期待される。

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