日本高野連が、早ければ今夏の第106回全国高校野球選手権大会で朝と夕に試合開始時間を分ける「2部制」の導入を検討していることが19日までに分かった。近日中に実施される選手権運営委員会で議題に挙がる見込みで、承認されれば甲子園史上初の取り組みとなる。

 夏の甲子園での2部制導入は、熱中症対策の一環として検討されてきた。気温の上がる昼の時間帯での開催を避けて試合開始時間を朝と夕に分ける同制度について、日本高野連は、将来的な導入を含めて検討することを22年7月に発表。試験的に数日間のみ実施する案などを選択肢とし、早ければ今夏からの導入を目指すとみられる。

 昨年1月、同連盟は昨夏の甲子園での導入を断念した理由について「多数のお客さんを安全に入れ替えるためには、かなりの時間の確保が必要になる。現状では入れ替え時間を確保することが難しかった」と説明した。数万人の観客が入れ替わる際の動線や安全性などを把握するため、時間の余裕がある一日3試合日に実施する案などが議論される見込みだ。

 同連盟は「どんどんと暑さ対策を進めていかないといけない」と言及してきた。連盟内には暑さ対策検討部会が設置され、昨夏の甲子園大会からは、5回終了時に選手の身体の冷却や水分補給などを目的に10分間の「クーリングタイム」を導入。酷暑から選手を守るために、あらゆる対策を検討し続けてきた。

 昨年1月時点では「高校野球の取り巻く環境は変わっていく。そういった状況を見極め、可能な対策を引き続き検討していく」とも言及。甲子園球場100周年の節目の夏に、新たな暑さ対策が実施される可能性がある。