◇セ・リーグ 阪神5ー3DeNA(2024年4月24日 横浜)

 阪神は24日、DeNA戦(横浜)に5―3で逆転勝利した。2点を追う9回に打者10人攻撃で一挙4点を奪い突き放した。大山悠輔内野手(29)が9回に中前へ意地の同点打。得点圏に走者を3度置いて凡退していた雪辱を果たした。続くシェルドン・ノイジー外野手(29)が決勝の押し出し四球を選んだ。2つの引き分けを挟む連勝を7に伸ばし、今季最多貯金4で首位を堅持した。

 大山の集中力は極限状態に達していた。味方が1点差に追い上げ、なおも9回無死満塁。強まった雨など気にも留めない背番号3のバットが、同点劇を呼び込んだ。

 打席直前に代わった5番手・徳山のボールを2球連続で見極め、続く直球は見逃し。この一球で軌道は脳裏にインプットした。続く4球目。再び同じコースに来た高め直球を一振りで仕留めた。強振した打球は遊撃・石上のグラブをかすめ中前への同点適時打。それでも歓喜に沸くベンチに大喜びはしない。試合後は、謙虚に拙攻の反省を忘れなかった。

 「最後、結果的にヒットになりましたけど、反省するべき点の方が大きいなと思う。そこはしっかりやらないといけない。明日(25日)1日空きますけど、しっかり次から頑張りたいなと思います」

 初回、2死二塁で回ってきた初回の第1打席は浜口の前に空振り三振。再び2死二塁で回ってきた3回の第2打席は中飛、絶好機の1死満塁で迎えた5回の第3打席は一邪飛に倒れた。得点圏で3回連続で凡退。19、20日の中日戦(甲子園)で2戦連続猛打賞と、復調を示していながら一本が出ない。凡打なら戦犯になりかねない状況だったが、“5度目”の正直で大仕事を果たした。続くノイジーの押し出し四球を呼び込んでチームは勝ち越しに成功。殊勲の一打が徳山の動揺を誘ったことで、すでに勝負は決していた。

 一度は逆転され、重苦しい雰囲気が流れながら勝利した意味は大きい。苦しんでいた主砲がチームを救い、これで2引き分けを挟み7連勝。貯金は今季最多の「4」だ。23試合を終え、打率・220(82打数18安打)1本塁打、7打点でも、チームを勝たせるのが猛虎の4番だ。(石崎 祥平)