◇福岡六大学野球 九産大7−3福工大(2024年5月5日 福工大)

 九産大はプロ注目の俊足1番打者、浦田俊輔内野手(4年)が初回先頭打者本塁打を含む今季初の3安打で打線をけん引し、福工大を連破。開幕から6連勝で勝ち点3とした。九共大は日経大を下して1勝1敗のタイに戻した。

 九産大の“スピードスター”浦田がバットでも魅せた。初回先頭打者で3球目のカーブを「しっかりためて叩けた」とジャストミート。打球は右翼フェンスを越え、自身リーグ戦初となるうれしいソロアーチとなった。

 海星(長崎)3年時に50メートル走を5秒8で走った韋駄天(いだてん)は昨秋15盗塁を記録し盗塁王に輝いた。今季もすでに5盗塁をマークし、他校の脅威の的でもある。3回は無死から遊撃内野安打で出塁し、4度の一塁けん制球を投げられたが、続く辰見の左前打で三塁を陥れる好走塁。チャンスを拡大し2点の追加得点につなげ4回には右前打。しめて3安打の大当たりだった。

 「3回は1番打者らしい仕事ができた。これからも積極的な走塁をしてどんどん盗塁を増やしたい」。2季連続盗塁王を目指し、ソフトバンク・周東の走りを動画でチェック。「スタートの仕方や走塁技術を参考にしている」と研究にいそしんでいる。昨年12月には大学侍ジャパン代表候補に選ばれ、愛媛・松山合宿に参加。プロ注目の俊足遊撃手はバットでも3季連続Vを狙う九産大を引っ張る。(中島 泉)

 ≪九共大は1年生5番が満塁弾!8−4で日経大に勝利≫1年生で5番の吉川雅崇が快挙を達成した。7回1死満塁に「前の打席まで2安打していたので落ち着いて自分のスイングができた」とスライダーを強振。中越えに今季リーグ初、自らは「野球人生で初」という満塁弾をたたき込んだ。小倉では最速146キロの投手だった。ドラフトでは指名漏れし、1年間の浪人生活を経て九共大に進学。その間は「ジムに通ったり高校のグラウンドで自主練習を続けた」という苦労人の一発で日経大に雪辱した。