プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)がネリ戦から一夜明けた7日、横浜市内の所属ジムで会見に臨んだ。

 尚弥は会見冒頭で前夜の激闘を振り返り「映像も見返したがダウンも含めて、満足のいく内容だった。ああいう試合は4万人のお客さん全ての人に満足して帰ってもらえた。歴史に残る一日になった」と笑顔で語った。

 ネリと対戦して感じたことについては「全て想定内、一つ挙げるとしたら、パワーがあったのかなと。ダウンのパンチは死角から入ってきた。あのダウンで本来の自分のボクシングに戻れた。やりにくさや、やりやすさを踏まえて一番手強いとは言えないのかなと。戦う前から隙が多い印象だったがその通りだった」と冷静に分析。「東京ドームでの試合で、ダウン後に悔しいとかどうとかではなく、その出来事自体が自分をハイテンションにした。楽しかった」と興奮していた自身を素直に表現し、ボクシング史に新たに刻まれた歴史的な一日を振り返った。

 衝撃的だった第1Rのダウンについて、イメージトレーニングはしていたか問われると、笑いながら「しっかりと8カウントまで膝をついて休む、そこの数秒が大事。本当にそういうシーンが訪れたらと日頃から考えていた。それがとっさに出た」と明かした。

 6日には34年ぶりの東京ドームボクシング興行で日本人初のメインイベンターを務め最大のヒール、ネリに6回1分22秒TKO勝ち。

 1回にプロ初のダウンを奪われながら、3度のダウンを奪い返す完勝で4本のベルトの防衛に成功した。

 試合後は対戦相手候補のIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)をリングに招き入れ、対戦を予告。9月ごろに防衛戦を行うプランを明かしていた。