10日(日本時間11日)に行われた、マーリンズヤンキースの一戦でヤンキースのアーロン・ブーン監督が今季初の退場処分となった。一昨年9回、昨年7回と2年連続で“退場王”の指揮官が抗議に現れると、地元ヤンキースタジアムは大歓声に包まれた。

■退場宣告は「戦闘開始」のゴングに

この試合では、ヤンキース3点ビハインドの7回裏攻撃中にブーン監督の怒りが爆発した。

打席のアレックス・バードゥーゴ外野手に対して投じられた3球目の外角スライダーが、ストライク判定に。ボールを見逃したバードゥーゴが不満そうに首を傾げると、ベンチからブーン監督が「ヘイ!ノー!」と叫んでいる様子。MLB公式のデータシステム「スタットキャスト」上では、ストライクゾーンからわずかに外れたボール球だったので、主張は間違っていない。主審に向けて指をさし、さらに何やら言葉を発したところで退場が宣告された。

しかし、数々の退場劇を繰り広げてきたブーン監督にとっては戦闘開始の「ゴング」が鳴ったようなもの。素早くベンチから飛び出すと、主審へ駆け寄り猛抗議開始。地元ヤンキースタジアムは、主審に対するブーイングとブーン監督への大歓声で、この試合一番の盛り上がりを見せた。

これでブーン監督は、指揮7年目で通算34回目の退場処分に。昨季はストライク判定を巡った猛抗議の際、主審のコールをジェスチャーで真似したユニークな姿が大々的に報じられ、良くも悪くも多くのファンの心を掴んでしまった。近年はプロスポーツの世界で審判の機械化が進んでおり、メジャーリーグでもその流れは避けられそうにないが、このような“副産物”が見られなくなってしまうとなると、物寂しい気持ちになるファンも多いのだろう。