フリーアナウンサーの唐橋ユミがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「NOEVIR Color of Life」(毎週土曜9:00〜9:30)。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。各界を代表して活躍する女性ゲストが、自らの言葉でメッセージを伝えます。

2023年12月の放送では、女優・財前直見さんが1か月にわたり出演。書籍「財前直見の暮らし彩彩」(NHK出版)を12月に出版した財前さんが、自身の人生を変えた映画「天と地と」出演について語ってくれました。


財前直見さん



1966年1月生まれ、大分県出身の財前さん。1984年に芸能界デビューし、以降は映画「天と地と」、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、ドラマ「お水の花道」など数々の作品に出演して活躍中。

2007年に生活の拠点を故郷・大分に移し、自宅の畑で収穫した野菜や果実を使った料理を作ったりする様子がテレビなどで紹介されて話題に。2023年12月6日(水)に書籍「財前直見の暮らし彩彩」(NHK出版)を発売。同著はNHK Eテレで放送中の同タイトル番組を書籍化したもので、財前さんが母親から受け継いだ料理レシピや田舎暮らしの良さ、地元の人々との交流、三世代同居の暮らしなどが綴られています。


「財前直見の暮らし彩彩」(NHK出版)



◆人生を大きく変えた映画出演

ーー角川映画15周年を記念して、角川春樹がメガホンを取った映画「天と地と」(1990年公開)。海音寺潮五郎原作の同名小説の映画化で、戦国時代を背景に上杉謙信と武田信玄との対決を描いた壮大なスケールの時代劇。財前さんは、武田信玄の側室・八重役を演じました。

唐橋:映画「天と地と」は、財前さんの人生の分岐点となった作品として挙げられています。

財前:そうですね。まず、女騎馬隊ということで、馬に乗れなくてはいけなかったんです。周りの女の子たち20人はわりと乗馬経験があって、私は馬に乗るのが初めてだったんです。

唐橋:そうだったんですか!

財前:馬から落ちたこともあったので、恐怖に打ち勝つといいますか、そういった経験を積みました。あとは、映画ではセリフが3行ぐらいしかなかったのですが、それがどういう意味合いを持つのかを(考えながら演じました)。

あと、1ヵ月間カナダでロケがあったり、(主役の上杉謙信役を演じる予定の)渡辺謙さんが病気になられて途中で主役が交代したりと、わりと不安なことが続きましたね。

唐橋:財前さんは劇中、馬の上で撃たれて倒れ込んで落馬しますが、その下が川でしたよね。あれは1回でOKが出ましたか?

財前:1回でOKでした。私の前にスタントの方が同じことをするのですが、スタントの方は「撃たれました!」みたいな動きがあったんです。私の場合、ウッと倒れて、刀が引っかかって川の流れに留まっていたんです。監督は崖の上のほうにいたのですが、「財前! よくやった!」と声をかけてくれたんですよ。

唐橋:ええ〜!

財前:角川春樹さんが監督だったのですが、ほかの作品にも呼んでいただくご縁をいただきました。自分のなかでは「チャレンジ」とか「生きる」とか「仲間」とか、いろんなことを学ばせていただいた映画でしたね。スケールも大きかったですし。3,000人のエキストラに1,000頭の馬でしたからね(笑)。今では考えられないですよ。

唐橋:財前直見さんは武田信玄の側室・八重の役を演じて注目されました。女騎馬武者隊を率いて上杉謙信に堂々と戦いを挑みましたね。

財前:男勝りな(笑)。馬は先頭馬についていくことができるのですが、私が先頭なので全部指揮をとらないといけなくて。スピードを出し過ぎると後ろがすごいスピードになるので抑えていました。馬も(撮影の)“本番”がわかるんですよ。

唐橋:そうなんですか!?

財前:「本番」って言うと、ドキドキしている馬の鼓動がこっちに伝わってくるんです。「スタート」っていう言葉を覚えてしまうので、旗を振って(合図をしながら)動いたりしました。

唐橋:あらためて、映画「天と地と」は財前さんにとってどんな作品でしたか?

財前:本当に、分岐点になる大きな作品でした。女優をやっていて、ある意味よかったなって思える作品に出会えたと思います。

<番組概要>
番組名:NOEVIR Color of Life
放送日時:毎週土曜 9:00〜9:30
パーソナリティ:唐橋ユミ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/color/