5月7日に決勝が行なわれたF1第5戦のマイアミ・グランプリにおいて、アルファタウリの角田裕毅は17番グリッドから徐々にポジションを上げ、最終的にはポイント圏内に肉薄する11位でレースを終えている。

【動画】次々とオーバーテイクを決めた角田裕毅が11位! 車の性能の低さに苦しみながらも、開幕戦バーレーンGP、続くサウジアラビアGPでも同様に11位、オーストラリアGPでは11位フィニッシュも他のドライバーへのペナルティーによる順位繰り上げでついに入賞を果たし、アップデートが上手くいったアゼルバイジャンGPでは8番グリッドスタートでポジションを下げるも、最終的に挽回して2戦連続でポイント獲得に成功した。

 そして5戦目、再び「AT04」のパフォーマンス不足に見舞われ、予選では初めてチームメイトのニック・デ・フリースに敗れるなど、2日目までは全てのセッションで低調さが目立ったものの、決勝ではセッティング変更などが奏功し、力強く安定したドライビングを披露。目標としていたポイント獲得はならなかったものの、角田は自身のSNSで「11位! チームによる素晴らしいリカバリー。(次戦の)ホームグランプリが楽しみ」とポジティブな文章を投稿している。

 この、5戦続けての同じような結末について、角田は「これはアルファタウリのトレンドのようなもので、予選が悪くてもレースが良かったりします。なぜ自分たちが良かったのかを調べなければならないのは当然ですが、それにしてもこれは本当に大きな驚きです」と印象を明かした(オランダのF1専門サイト『RN365』より)。

 また、「昨季に比べて、全てのレースで確実にパフォーマンスを引き出せているのは良いことです」とここまでの自身をポジティブに振り返った彼は、ホームサーキットとも言えるイモラで開催される次戦のエミリア・ロマーニャGPに向けて、「次は大幅なアップデートを導入することになるので、それが上手くいけばと思います」と期待を寄せている。
  5月11日で23歳になった、F1でのキャリア3年目の日本人ドライバーについて、ここまでの各国メディアの評価はポジティブなものが多い。10チーム中最弱ということで見解が一致するAT04を駆り、これまでに欠けていると言われた一貫性を示し、車の力を十二分に引き出しながら、的確なレース運びを見せて可能な限り最高の結果を残しているというのが、大方の見方である。
 
 そんな中、英国の日刊紙『EXPRESS』は、各チームのここまでの獲得ポイント数に対する、各ドライバーの獲得の割合を紹介。それぞれの貢献度を示すこの数値において、100%、つまりチームの全ポイントをひとりで稼ぎ出したのは、角田とアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)であり、これにニコ・ヒュルケンベルク(ハース)が75%、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が74%で続く(トップを快走するレッドブルの王者マックス・フェルスタッペンは53%で10位)。

 今季開幕前、F1でのキャリアを2024年以降も継続するためには、ポイントを可能な限り獲得すること、そしてチームメイトとの対決に勝利することが挙げられていたものだが、その両方をここまで完遂している角田。苦戦した昨季において、数少ないポジティブな内容と結果を残したレースであるエミリア・ロマーニャGPで、さらなる勢いを得ることができるかが気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部
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