プロレス界世界最大のビッグイベント『レッスルマニア40』が日本時間の7日と8日の2日間に渡ってアメリカ・ペンシルペニア州フィラデルフィア、リンカーン・フィナンシャルフィールドで開催され、2日間で計14万5411人もの観客が会場に詰めかけた。日本では両日ともにABEMAがPPVで完全生中継したため、関連ワードが軒並みトレンド入りをしている。

【PHOTO】大接戦の末、因縁のブライアン・ダニエルソンを沈めたオカダ・カズチカ!|ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム 長年続いて来たビンス・マクマホン(Jr.)体制から、トリプルH体制へ完全に移行して開催された今回の『レッスルマニア』のテーマは新時代の到来。これを阻むべく8年ぶりにWWEマットに復帰したのが、ハリウッド俳優ではドウェイン・ジョンソンとして活躍しているザ・ロックだ。ロックは今年1月にWWEの親会社であるTKOホールディングスの取締役に電撃就任すると、WWEが保有していたザ・ロックのリングネームを含む商標を譲り受けたことを発表。そんな中、今年の『レッスルマニア』でローマン・レインズが保持している統一WWE王座への挑戦権を『ロイヤルランブル2024』を制したコーディ・ローデスが獲得し、新時代の到来を訴えると、ロックが横やりを入れて来て、一時はレインズとロックの王座戦に変更されてしまう。これにはWWEユニバース(ファン)が凄まじい嫌悪感を示したことから、レインズとロックが電撃合体し、ロックはファイナルボスとしてヒールに転向。レインズとコーディの一戦が正式に決まるも、レインズ率いるブラッドラインにロックが加入したことにより、コーディにとっては不利な状況に追い込まれた。

 初日のメインイベントでは、レインズとロックがタッグを組み、コーディ&セス・ロリンズと対戦。ブラッドラインが勝った場合は翌日の王座戦でブラッドライン勢が乱入出来るという理不尽なルールの中、コーディはロックのロックボトムからピープルズエルボーの必殺フルコースの前にフォール負け。これで2日目の王座戦はより不利になった。

 しかし新時代の到来に向けて、そして長年の目標であったローデス一家へのWWE最高峰シングルタイトル奪取に対するコーディの気持ちは強く、レインズのラフファイトを凌いでいく。するとブラッドラインのジミー・ウーソーをはじめ、ソロ・シコアが出て来て試合に介入。ここでジョン・シナがコーディの助っ人に現れて、シコア、レインズにAAを放つが、ここでザ・ロックが登場。

 久々となるロックとシナの睨み合いに場内のボルテージは最高潮に達するが、ロックはシナにロックボトムを放つ。さらにローデスママのベルトを凶器として持ち出すと、ロリンズが現れるもレインズがスーパーマンパンチで排除。コーディにとっては絶体絶命のピンチとなったが、ゴーンと聞き覚えのある鐘の音が鳴るとロックの背後にはジ・アンダーテイカーが。アンダーテイカーはロックにチョークスラムを決めて再び鐘が鳴ると場内は暗転。明るくなるとリングにはレインズとコーディの二人だけが残っていた。レインズはロリンズに椅子で一撃を見舞ってコーディにも攻撃を仕掛けようとするも、コーディはクロスローズ3連発を決めてカウント3。新時代の幕を開けている。
  試合後、リング上にはシナ、ランディ・オートン、CMパンク、LAナイト、ゼインらが祝福。ローデス夫人とローデスママもリングに上がり、コーディの初戴冠を祝った。コーディは2016年にWWEを一度退団しており、CodyのリングネームでTNA、新日本プロレス、ROHを経て、2019年に新日本で一緒だったケニー・オメガやヤングバックスらとともにAEWの設立に参加。2022年にWWEへ復帰を果たした過去を持つ。現在コーディがテーマ曲として使っている『KINGDOM』は新日本時代から使っているものだ。
  コーディは「彼がいなければWWEに戻れなかった」とWWEクリエイティブチームのブルース・プリチャードの名前を出した後に「新時代のリーダー、トリプルH出て来てくれ!」と現場トップのトリプルHを呼び込み握手。WWEの新時代はこの二人で築いていくことになりそうだ。

 日本人選手ではイヨ・スカイがWWE女子王座から陥落してしまったが、中邑真輔、戸澤陽、カブキウォリアーズ(ASUKA&カイリ・セイン)と男女ともにスーパースターが在籍しているだけに、中邑にはコーディの対角線に立てるような活躍を期待したい。今年は2日間に渡り見所の多い『レッスルマニア』だったが、来年の開催地はまだ発表されていない。これは各地で招致合戦が繰り広げられているためで、来年はどこでどれぐらいの規模で開催されるのか今から楽しみだ。

◆WWE◆
『レッスルマニア40 day2』
2024年4月8日(日本時間)
アメリカ・ペンシルペニア州フィラデルフィア、リンカーン・フィナンシャルフィールド
観衆 72877人
▼統一WWEユニバーサル選手権試合(時間無制限1本勝負)
<王者>●ローマン・レインズ(片エビ固め)コーディ・ローデス○<挑戦者>
※クロスローズ
※王者が防衛に失敗、コーディが第147代WWE王者、第15代ユニバーサル王者となる。
※ブラッドラインルール採用。

『レッスルマニア40 day1』
2024年4月7日(日本時間)
アメリカ・ペンシルペニア州フィラデルフィア、リンカーン・フィナンシャルフィールド
観衆 72534人
▼タッグマッチ(時間無制限1本勝負)
ローマン・レインズ&○ザ・ロック(片エビ固め)コーディ・ローデス●&セス・ロリンズ
※ピープルズエルボー
※翌日の統一王座戦がブラッドラインルール採用へ。

文⚫︎どら増田

【動画】メインイベントのレインズ&ロックvs.コーディ&セリ・ロリンズ、大興奮の入場シーン
【関連記事】ブル中野が日本人女性初の快挙!! WWE殿堂入りで感動の英語スピーチを披露! 一方、日本のレスラーで未殿堂の“大物”とは?
【動画】WWE殿堂入りの快挙!“世界の女帝”ブル中野の活躍をプレイバック