産休を経てカムバックを遂げた女子テニス元世界ランク1位の大坂なおみ(現192位)がクレーシーズン初戦として臨んだ「オープン・キャップファイナンス・ルーアン・メトロポール」(4月15日〜21日/フランス・ルーアン/WTA250)。現地17日にシングルス1回戦が行なわれ、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦した大坂は世界78位のマルティナ・トレビザン(イタリア)と対戦。4-6、2-6で敗れ、2回戦進出を逃した。

 昨年7月に第1子となる女の子を出産した大坂は、年明けの「ブリスベン国際」(WTA500)で約1年ぶりにツアーに復帰。試合を重ねるごとに調子を上げ、2月の「カタール・トタルエナジーズ・オープン2024」(WTA1000)ではベスト8、3月の「BNPパリバ・オープン」と「マイアミ・オープン」(いずれもWTA1000)の北米ハード2大会では3回戦に進出した。

 そして先週末に日本代表として出場した女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」(BJK杯/元フェドカップ)では、シングルス第2試合でカザフスタン代表のユリア・プチンツェワ(同50位)にストレートで勝利。世界12チームによる決勝大会「BJK杯ファイナルズ」の出場権獲得に大きく貢献した。

 そんな大坂が大の苦手としているクレーシーズンが今年も幕を開けた。ちなみに大坂がクレーの公式戦に出場するのは2022年の全仏オープン以来約2年ぶり。試合は同年の全仏で自身初の四大大会4強入りを果たした実力者のトレビザンを相手に、大坂が完敗を喫す格好となった。
  大坂は開始直後の第1ゲームでいきなりブレークを献上。それでも直後の第2ゲームでは力強いショットで相手のミスを誘ってすかさずブレークバックに成功する。続く第3ゲームをしっかりとキープすると、第6ゲームでは高精度のリターンと力のあるカウンターショットを軸にブレークポイントを取得。しかし勝負どころではあと1本が取り切れず、以降もなかなかチャンスをものにできないもどかしい展開が続く。

 そうした中で迎えた終盤の第9ゲームでは大坂がミスを連発し痛恨のサービスダウン。そのまま第1セットを落とすと、第2セットでもストローク戦で簡単なエラーを重ねて2度のブレークを許し、1時間32分で初戦敗退となった。

 ブレークポイントを取り切れなかったことはもちろんだが、セカンドサービスでのポイント獲得率がわずか39%にとどまったことも敗因の1つに挙げられる。試合を通してトレビザンのリターンアタックやカウンターに苦戦を強いられた印象だ。

 立て直しが効かないまま大会を去ることになってしまったが、大坂にはまだまだ続くクレーシーズンで苦手を克服していってほしいところ。次戦以降での挽回に期待したい。

文●中村光佑

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