5月6日から開催される男子テニスツアーの下部大会「ドナウ・アッパー・オーストリアオープン」(オーストリア・マウトハウゼン/クレーコート/ATPチャレンジャー100)は現地4月16日に大会公式サイトを更新し、度重なるケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現353位)のエントリーを発表した。

 昨年7月から左ヒザの故障でツアーを離れていた錦織は、3月下旬に行なわれた「マイアミ・オープン」(WTA1000)で約8カ月ぶりにカムバック。復帰戦となった1回戦でセバスチャン・オフナー(オーストリア/大会時40位)に3-6、4-6で敗れたものの、随所に錦織らしい多彩なプレーを披露した。

 ところがクレーシーズンに入ってからは出場予定だった大会を相次いでキャンセル。ワイルドカード(主催者推薦)で参戦するはずだった現在開催中の「バルセロナ・オープン」(4月15日〜21日/スペイン・バルセロナ/ATP500)は出場を辞退。また同じくワイルドカードでエントリーしていた来週開催のマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(4月24日〜5月5日/スペイン・マドリード)もすでに欠場を発表している。

 自身のSNSでマドリード欠場を伝えた際に「4月29日と5月6日のチャレンジャー(下部大会)でプレーすることを目指しています」と報告していた錦織。その言葉通り「クレディ・アグリコル・エクスプロヴァンス・オープン」(4月30日〜5月5日/フランス・エクサンプロヴァンス/クレー/ATPチャレンジャー175)に続き、翌週の「ドナウ・アッパー・オーストリアオープン」にも立て続けに参戦を表明した形だ。
  大会公式サイトではトーナメントディレクターを務めるフロリアン・ライトゲブ氏が口にした錦織への歓迎の言葉を次のように紹介している。

「我々は2024 年に地元のテニスファンがオーバーエスターライヒ州(大会開催地)でトップレベルのテニスを楽しめるようにしたいと考えています。したがって、錦織圭という並外れた功績を持つアスリートを招待できることをうれしく思います。彼は長年にわたり、彼ならではのスタイルで最高のレベルのプレーを披露し、人々にインスピレーションを与えてきました。そのような選手をここに招待できるのは、近年の我々の仕事ぶりと評判の高さを物語っています」

 一部報道にある通り、現時点で錦織はクレーコート・シーズンの最高峰となる四大大会「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ)にプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位で出場予定。無論そこまでに何試合かはこなしておきたいところだろう。まずは予定通りフランスとオーストリアのチャレンジャーでプレーできることを願いたい。

文●中村光佑

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