1977年に奥寺康彦が当時世界最高峰リーグと呼ばれたブンデスリーガ(ケルン)に加入して以降、ここまで多くの日本人選手が世界のトップリーグでプレーしてきた。

 その中で輝かしい実績を残した者も多々おり、先日はフランクフルトの長谷部誠が40歳で現役引退を発表したが、2008年からのドイツでのプレーでブンデスリーガ、DFBポカールの国内タイトルの他、欧州カップ(ヨーロッパリーグ)も勝ち取ったことに加え、自身は同リーグにおける外国人選手の歴代最多出場記録で3位につけるという偉業を成し遂げ、その名を歴史に残すこととなった。

 近年は多くの日本人選手が欧州5大リーグの各クラブで主力としてプレーし、その評価と価値を高めている。そして、日本代表としても1998年に初めてワールドカップに出場して以降、ドイツやスペインといった強国を下すほど力をつけていく過程の中で、多くの選手が世界の大舞台でインパクトを残してきた。

 また、日本だけでなく、アジア各国の選手たちも欧州進出を果たしたり、代表チームで世界に驚きを提供したりしてきたが、スポーツ専門メディアの『GIVEMESPORT』は、その歴史を振り返り、「サッカー史における最も優れたアジア人選手トップ10」を選定。その中で、日本人選手は3人がランクインしている。
  9位に挙げられたのは香川真司(現セレッソ大阪)で、2010年にドルトムントで海外挑戦を始めると、同クラブの黄金時代の主力として活躍し、世界的な名門のマンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれたという、日本の中でも最も輝かしいキャリアを誇る選手のひとりである稀代のテクニシャンについて、同メディアは以下のように綴った。

「若い頃、香川は史上最高の選手の素質を持っていた。23歳の時にはすでに、ドルトムントで2度のリーグ優勝を果たした。しかし、マンUでは怪我のため、オールド・トラフォードでの多くの試合をベンチで過ごした。それでも、日本人として初めてプレミアリーグを制覇した選手として、記録を残している」

「香川は日本代表として97試合に出場し、31ゴールを挙げ、2012年にはアジア年間最優秀選手賞を受賞。若い頃に見せた才能に見合うほどの実績は残せなかったが、間違いなく偉大な選手として記憶されるだろう。もし怪我に悩まされなかったら、彼はさらに上位にランクされていたかもしれない。しかし驚くべきことに、(35歳の)彼はまだプレーを続けている!」 続いて、7位にランクインしたのが、日本サッカーのパイオニアのひとりである中田英寿。1998年夏、当時21歳の「司令塔」はイタリアに渡り、ペルージャ入り。開幕戦で王者ユベントス相手に2ゴールを奪う衝撃のデビューを飾り、テクニック、戦術眼、そして本場の強者でも舌を巻いたフィジカルの強さを誇って、ローマではスクデットを獲得。その後はイタリア、イングランドのクラブを渡り歩いた。

 同メディアは、「1997年、中田はアジア人サッカー選手として、最初のバロンドール候補となった。その後、彼はさらに2回のノミネートを果たしている。この非常にスキルの高いオールラウンドなMFは、1998年に初めてW杯出場を果たす日本がアジア予選を突破するにあたって5つのゴールを決めた」と紹介し、さらにその欧州でのキャリアを振り返っている。

「クラブレベルでは、全盛期だったセリエAで7年間を過ごし、パルマでは2002年コッパ・イタリア決勝でもゴールを挙げた。ローマやフィオレンティーナなどで見せた見事なプレーの後、ボルトン・ワンダラーズへの短期間のレンタル移籍を経て、2006年に29歳の若さでスパイクを脱いだ」
  そして、日本人選手としては最高位となる5位となったのは、VVVフェンロ(オランダ)、CSKAモスクワ(ロシア)での活躍を経て、2014年に名門ミランで背番号10を背負った本田圭佑だ。「日本ではあらゆる分野で卓越性が求められ、その基準は常に高いものだが、その中で本田はサッカー界の誇りであり、輝く星である。創造性とセットプレーから脅威を生み出すことで知られるこの攻撃的なMFは、10年以上にわたって一貫性を体現してきた」と綴った同メディアは、さらに賛辞を続けた。

「代表チームでの98試合に出場し、2010年の南アフリカW杯で脚光を浴びたことで、日本代表の年間最優秀選手に選ばれ、翌年には日本が優勝したアジアカップで大会MVPにも輝いた。ホンダのゴールやスキルのコンピレーションを見れば、この羨望の的なリストの中でも、最も見る者を楽しませてくれる選手だと言えるだろう」

 ちなみに、トップ10の顔ぶれは以下の通りである。

1位:ソン・フンミン(韓国/キャリア期間2010年〜)
2位:チャ・ブンクン(韓国/1972〜1989年)
3位:パウリーノ・アルカンタラ(フィリピン・スペイン/1912〜1923年)
4位:パク・チソン(韓国/2000〜2014年)
5位:本田圭佑(日本/2004年〜)
6位:キム・ジュソン(韓国/1987〜1996年)
7位:中田英寿(日本/1995〜2006年)
8位:アリ・ダエイ(イラン/1987〜2007年)
9位:香川真司(日本/2006年〜)
10位:ホン・ミョンボ(韓国/1990〜2004年)

構成●THE DIGEST編集部

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