BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)の放送枠「よる8銀座シネマ」では、1月10日(水)から1月12日(金)の夜8時より3夜連続で、映画「必殺仕掛人」「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」「必殺仕掛人 春雪仕掛針」の3作品を放送する。依頼人の恨みを晴らすため、法に代わって殺しという名の裁きを下す“仕掛人”の活躍を描く本シリーズ。1972年にTVシリーズが放送開始されると、瞬く間に注目を集め、その人気を受けて映画版3作品が制作された。

■“殺し屋”が主人公という斬新な設定で時代劇の金字塔を打ち立てた「必殺仕掛人」シリーズ

池波正太郎の小説「仕掛人・藤枝梅安」シリーズが原作となる本シリーズは、勧善懲悪が主流であった時代劇において“殺し屋”が主人公であるという斬新な設定で話題を呼んだ。また本シリーズは、東山紀之主演で今も続いている「必殺仕事人」シリーズの第1弾という位置付けの作品でもある。

TVシリーズ全編と映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」「必殺仕掛人 春雪仕掛針」では緒形拳が、映画「必殺仕掛人」では田宮二郎が主人公の藤枝梅安役を演じている。梅安は、表では鍼医師を営みながら、裏では仕掛人の元締めである音羽屋半右衛門(山村聡)が依頼人から受けた殺しを実行する“仕掛人”としての顔を持つ。

非情な殺し屋でありながら、人間味と色気を感じさせる凄みのある梅安を演じた緒方は、「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」と「必殺仕掛人 春雪仕掛針」をきっかけに、さらに多くのファンから愛されることとなった。

また1973年公開の「必殺仕掛人」で主演を務めた田宮についても、ネット上では「緒方さんとは一味違うオーラを醸し出す田宮さんの梅安も悪くない」「田宮二郎の梅安が違和感なくて最高」「田宮二郎の飄々とした風情が、思っていた以上に二面性の性格を持つ藤枝梅安のキャラクター像に合っていた」などのコメントが寄せられている。田宮演じる梅安も、視聴者から人気を博しているようだ。

表と裏の二面性を持ち、ダークヒーローとして愛され続ける梅安は、緒方や田宮のほかにも、小林桂樹、渡辺謙、萬屋錦之介、岸谷五朗など、錚々たる名俳優により演じられてきた。最近では、豊川悦司が梅安を演じた映画「仕掛人・藤枝梅安」2部作が2023年に公開されたことでも注目を集めた。

■次々と殺人を犯す強盗団に挑み、奮闘する仕掛人の姿を描く

1月10日(水)放送の「必殺仕掛人」(1973年公開)で、田宮演じる梅安は、音羽屋半右衛門からの依頼で、仕掛人の徳次郎(浜田寅彦)と共に蝋燭問屋の後添い・お照(川崎あかね)を殺す。その翌日、徳次郎とともに甲州へ旅立つ梅安だったが、梅安が湯女と戯れている間に、徳次郎が何者かに殺されてしまう――。

1月11日(木)放送の「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」(1973年公開)では、緒方演じる梅安が、ある夜、医師の宗伯(小池朝雄)と間違って浪人に襲われる。人違いと知り、去っていく浪人。その数日後、梅安は半右衛門から、5年前に江戸に来て急速に財を成していった謎の男・伊豆屋長兵衛(佐藤慶)の暗殺を依頼される。そして梅安が伊豆屋と宗伯の密会を張っていると、先日の浪人も宗伯を見張っていたのだった――。

1月12日(金)放送の「必殺仕掛人 春雪仕掛針」(1974年公開)では、漆器問屋の一家が、半年前に後妻に入った盗賊の首領・お千代(岩下志麻)の手引によって惨殺される。真相を知る千代の育ての親・小兵衛(花澤徳衛)は、“彼女を立ち直らせるためには彼女の子分である勝四郎(夏八木勲)、三上(竜崎勝)、定六(地井武男)の3人を殺すしかない”と、半右衛門に依頼するのだった――。