BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、1月22日(月)〜27日(土)の6夜連続で、藤田まことが主演を務める「剣客商売」シリーズのスペシャル版全6作品を放送する。小説作家・池波正太郎の代表作を、本格TV時代劇としてドラマ化した本シリーズ。22日(月)〜26日(金)は夜8時から、27日(土)は夜9時からの放送となる。

■江戸時代屈指の無外流の達人が剣で事件を解決していく人情活劇

本シリーズは、江戸時代屈指の無外流の達人・秋山小兵衛(藤田)が、年の離れた後妻・おはる(小林綾子)と、先妻との息子で道場を継いだ大治郎(山口馬木也)、女剣客の佐々木三冬(寺島しのぶ)らとともに、江戸の町を舞台にさまざまな事件を剣で解決する人情活劇だ。

1973年に山形勲が小兵衛を演じてドラマ化されると、1982年には池波が小兵衛のモデルにしたという歌舞伎の名優・中村又五郎が満を持して小兵衛を演じ、藤田は3代目を務めた。その後、北大路欣也が4代目に抜擢され、それぞれの個性あふれる小兵衛が長きにわたって愛されてきた。

本シリーズで小兵衛を演じる藤田は、息子より年下のおはると再婚し、隠居生活を気ままに楽しんでいる小兵衛の“粋で軽妙洒脱な生き方”を軽やかに表現している。それでいて、悪人と対峙するシーンでは切れ味鋭い立ち回りを見せ、そのギャップが小兵衛の人としての魅力を引き立てている。

■旗本たちがけ仕掛けた無意味な決闘に激怒する小兵衛

1月22日(月)放送の「剣客商売スペシャル 助太刀」では、小兵衛が老中・田沼意次(平幹二朗)の仲介で、古い友・善蔵(蟹江敬三)と再会する。娘・お信(中原果南)の献身的な看病のおかげで大病から回復した善蔵は、娘婿に迎えた忠兵衛とともに酒井道場の再興を果たしていた。そのころ大治郎(山口)は、道端で扇子を売る浪人・牛之助(益岡徹)と知り合うが、牛之助が酒井道場の門弟に殺されてしまう。そこで、父の敵を捜しながら牛之助に剣を習っていた若者・伊織(石田法嗣)とともに、大治郎は抗議に行くのだが――。

1月23日(火)放送の「剣客商売スペシャル 母と娘と」では、小兵衛は友人の医師・宗哲(島田順司)の元で、病に侵され、余命わずかの太九蔵(夏八木勲)と出会う。同行していた三冬(寺島)は、太九蔵の娘・さよ(宮本真希)が自分と同じように母の顔を知らないことから意気投合。そのころ大治郎は、大店「啓養堂」の金庫番・源太郎(高杉瑞穂)が浪人に襲われているところを助けるが、源太郎の父は、以前小兵衛が捕らえた犯罪者だった――。

1月24日(水)放送の「剣客商売スペシャル 決闘・高田の馬場」では、武芸好きの旗本・久世(立川三貴)が剣の達人・羽賀儀平(宍戸開)を取り立て、武芸仲間の筑後守(菅野菜保之)に羽賀の腕をしきりに自慢する。それを聞いた筑後守は、臣下の剣豪・吉村弥惣治(内藤剛志)と、家宝を賭けて真剣で決闘をさせようと申し出て、高田馬場で決闘が行われることに。かつての弟子・吉村の窮地を知った小兵衛は、決闘をやめさせようと一計を案じる――。

■「タイジロウ」と名乗る辻斬りが現れた夜、なぜか怪我をして帰宅していた大治郎…

1月25日(木)放送の「剣客商売スペシャル 女用心棒」では、ある日、三冬が無頼な男たちに誘拐されそうになっていた娘お雪(大西麻恵)を助けたことから物語は始まる。お雪は、大奥にも出入りを許された大店の小間物問屋「山崎屋」の一人娘で、三冬の義父である小兵衛は山崎屋と付き合いがあったため、山崎屋の隠居・鉄五郎(大滝秀治)と会うことに。すると、鉄五郎は家の事情を話し始める。娘婿に店を継がせたくないため、お雪には想いを寄せる相手がいることを知りながらも、縁談をすすめているというのだった――。

1月26日(金)放送の「剣客商売スペシャル 春の嵐」では、奥州白河十一万石、松平越中守定信(福士誠治)の家来が、「アキヤマタイジロウ」と名乗る、頭巾で顔を隠した辻斬りに一太刀で倒され死亡する事件が起きる。大治郎の身を案じた北町奉行所の同心・永山精之助(梨本謙次郎)は、四谷の弥七(三浦浩一)に様子を見に行かせる。そして三冬が“その時間は大治郎が家にいた”と証言したことで、小兵衛は、何者かが大治郎の名を語り陥れようとしていると確信するが、じつはその夜、大治郎は軽い怪我をして帰宅していたのだった――。

1月27日(土)放送の「剣客商売スペシャル 道場破り」では、小兵衛が貧しい身なりをした浪人・鷲巣見平助(中村梅雀)と知り合う。ある時、平助は、大治郎が訪れていた道場へ道場破りとして現れ、門人を次々と倒していく。そこへ大治郎が名乗りをあげ、五分五分の戦いを繰り広げる。しかし大治郎の木刀が平助の腹をかすると、平助は潔く負けを認め去って行った。平助はこうして道場破りで稼いだ金を「生き別れた娘に渡してほしい」と小兵衛に頼む。その頃、面子を潰された大場道場の主・大場治左衛門(西田健)は激怒し、平助の居所を突き止めようとしていた――。