コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“気になる女性社員からの急な誘いに戸惑う男性社員”を描いた漫画『空気が「読める」中堅社員が気になる人と二人で呑む話』をピックアップ。

作者である漫画家の鳥原習さんが、2023月12月14日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、7000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では鳥原習さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■忍川からの突然の誘いに浮かれる国忠だったが…

本作は、ウェブコミック配信サイト「ゼロサムオンライン」で連載中の漫画『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』第59話にあたるエピソード。喜怒哀楽などのさまざまな感情が“謎の生き物”として見える主人公・志野聡子と、一見不愛想だが実は優しい上司・慈(うつみ)とのやり取りを描いたラブコメディだ。

入社3年目の志野は、新入社員・恒良(つねなが)の教育担当をすることになり、自信家で合理主義、かつ空気が読み取れない恒良への教育に日々悪戦苦闘していた。ある時、そんな志野を心配する友人の忍川(おしかわ)は、志野と同じく“空気が読み取れる”能力を持つ中堅社員・国忠(くにただ)をサシ飲みに誘う――。

誘われた理由を何も聞かされずに2人で会った国忠。すると忍川は「国忠さんから見て志野と新人くんってうまくやれてます?」と本題を切り出し、国忠は“はい、想定してました。なんも期待とかしてないからセーフ!!”と心の中で自分に言い聞かせる。

そして忍川の不安な気持ちを取り除くような言葉をかけた後に、「ってかその話したくてわざわざ俺を飲みに誘うとか、本当友達思いだよね」と告げる国忠。すると忍川は「それも心配だったけど、今日声かけたのは、国忠さんも最近元気なさそうだったから」「美味しいもの食べさせたいと思ったんですけど」と切り出した。

突然の発言に国忠は顔を赤らめ、“いや…何それどういう意味”と思わず動揺。そんな国忠をよそに、忍川は「来週末予定開いていたら本場のジンギスカン食べに行きません?」と国忠を誘うのだが――。

忍川からの突然の誘いに対して、一喜一憂することとなる国忠。本エピソードでは、思わずドキっとするような“忍川の発言”や、それに踊らされる“国忠の様子”がコミカルに描かれている。

本作を読んだ人たちからは、「空気が読めすぎるのも大変だな…」「国忠くん1人ジェットコースターしてる(笑)」「この2人のラブ展開もあるのか?」「認識のズレが笑える」「何気にお似合いだよねこの2人」などのコメントが寄せられている。

■ストーリーの着想は「会社員時代の経験や周りから聞いた話を元に膨らませています」

――『空気が「読める」中堅社員が気になる人と二人で呑む話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

今回の話に出てきた2人は、シリーズの中ではサブキャラクターの立ち位置なのですが、普段は苦労人な立ち位置になることが多いので羽休めのつもりで描きました。

――本作では、忍川さんからの突然の誘いに一喜一憂する国忠の姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

忍川と国忠の二人の間での、この飲み会に対する意識のズレのようなところに面白みを感じてもらえればと思いました。(国忠には気の毒ですが…)

――『空気が「読める」中堅社員が気になる人と二人で呑む話』で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

忍川が、国忠を気にして声をかけたと言うシーンです。国忠はあまり報われることがないので、この時は作者としても報われてよかったね…という気持ちでした。この時の忍川は、国忠視点に寄せてかわいく映るように気にして描きました。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

私はもともと前職が会社員だったので、なるべく読んでいる方に身近に感じてもらえるように、会社員時代の経験や周りから聞いた話を元に膨らませています。そんな会社生活に、完全にファンタジーな要素である「空気が見える」能力があったらどうなるか組み合わせていって話を考えることが多いです。

――普段漫画を制作するうえで、作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

キャラクターの服装や髪型など、絵としてのかわいさと、「実際に会社にこういう人いそう」というバランスを考えながら描いています。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも読んでくださってありがとうございます。この作品は自分のSNSなどでも掲載しているのですが、読者さんが面白いと思ってリアクションしてくださることが本当に励みになって続けられています。