福士蒼汰が主演を務めるドラマ「アイのない恋人たち」(毎週日曜夜10:00-10:54、テレビ朝日系)の最終回となる第9話が3月17日に放送。アラサー男女それぞれが愛を見つけたなか、真和(福士)たち男子メンバーの仲直りシーンも反響を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます)

■ワケありアラサーたちのラブストーリーが終幕

本作は、遊川和彦氏が脚本を務めるオリジナル作品で、「愛がない」「見る目(eye)がない」「自分(I)がない」と、それぞれにアイが欠けている者たちによるラブストーリー。2024年の東京を舞台に、恋愛偏差値が低いワケありアラサーの男女7人が織り成す物語が描かれる。

福士が扮(ふん)するのは、心から人を愛することからも愛されることからも逃げているため「愛がない男」と呼ばれている33歳の売れない脚本家・久米真和。ほか、男性経験のないまま31歳になったブックカフェ経営者・今村絵里加を岡崎紗絵、真和の高校の同級生で女性と付き合ったことが一度もない「自分がない男」淵上多聞を本郷奏多、多聞と同じ食品会社に勤める29歳の冨田栞を成海璃子、真和の高校の同級生で「見る目がない男」と揶揄される警察官・郷雄馬を前田公輝、結婚に対して強い焦りを抱いている区役所勤めの近藤奈美を深川麻衣、真和の高校の同級生で初恋相手の稲葉愛を佐々木希が演じる。

最終回は、真和は絵里加と愛の三角関係で絵里加を選び、多聞と栞、雄馬と奈美もそれぞれ関係を深めた。


■愛に同窓会として呼び出される真和たち

7人の恋愛と共に注目されていたのが真和、多聞、雄馬の友情だ。

真和たちは高校の卒業以来、15年ぶりに再会してから、会う以外にオンラインで3人同時に毎週のように話していた。だが、母親のことでイライラしていた真和の不用意な発言をきっかけに絶交状態になり、仲直りの糸口がつかめないでいた。

そんなとき、愛から3人に連絡が入り、母校が廃校になるため、同窓会が開かれるという誘いが。


■仲直りの方法は「スロご」

実は廃校になることも、同窓会も、愛による3人を仲直りさせるためのうそだった。

校門の前で会った3人の気まずい雰囲気を破ったのは、雄馬。「スロご、やらないか?」と誘った。“スロご”とは、スローモーションごっこの略で、昔けんかして仲直りするときによくやったという、ゆっくり殴るふりをするというものだ。

まず雄馬が真和に「てめぇ、気取ってんじゃねぇ、よぉ、おっ、おっ、おっ…」と言いながら、ゆっくりと頬をパンチ。すると真和が「お前はいつもうるせぇんだ、よぉ、おっ、おっ…」と殴り返した。そこに続けて多聞が「俺にも殴らせろ、おっ、おっ…」と真和に向かっていき、真和が「お前はいつもいい人ぶりやがって、えっ、えっ」と応戦。

気付くと在校生たちに白い目で見られている3人だったが、それぞれの思いを言い合いながら、高校時代と変わらない方法でアラサー男子たちが仲直りする様子がなんともかわいかった。

そして、高校卒業直前に3人で居残りさせられたとき、雄馬がスピッツの楽曲「チェリ―」を歌い出したのはなぜかと真和が問い掛けると、「お前らとこれからもずっと会いたいと思ったからさ」と明かした雄馬。そこで真和は15年後に会おうという約束を1人だけ守ったことを打ち明け、“親友”でありたかった思いを確認し合った。

それから改めて「チェリ―」を歌い始めた3人。それぞれに紆余曲折ありながら、愛を見つけた今、歌詞にグッとくるものがあった。

またラストの描写となった、これから不安などがあっても「ここにいる」と強く前を向いていられるようになった7人が頼もしかった。

SNSには「チェリ―歌う3人いい顔してたよね」「チェリ―で泣いた」「スロご笑った。バカ一緒に出来る友達っていいよね」「スロごにチェリー、最高」といった投稿が寄せられ、「今期1番好きだったドラマ」として終幕を寂しがる声も上がった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部