オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「ずっとあなたを待っていました」。第11話では、真実を知ったヨンウン(クォン・ユル)が家族と対峙する様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第11話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

■「ずっとあなたを待っていました」とは

本作は、韓国で注目の若手俳優とベテラン俳優が一堂に会することで話題を呼んだミステリーサスペンスドラマ。ある日、50年間大きな事件が起きていない平和な町で殺人事件が発生し、血気盛んな地元の刑事オ・ジンソンは、検事たちと共に捜査を開始する。そんな中、彼の家族が事件に巻き込まれてしまう。そして事件の真相を追い求めるごとに、自分の家族の隠された秘密や欲望が明らかになっていき、オ・ジンソンは衝撃の真実へとたどり着く――。

キャストには、「哲仁王后 〜俺がクイーン!?〜」などのテレビドラマを始めバラエティ番組でも活躍が目覚ましい俳優ナ・イヌが主演の刑事オ・ジンソン役に抜擢。また、「アゲイン・マイ・ライフ 〜巨悪に挑む検事〜」といった話題作に出演し、注目の若手の1人とされるキム・ジウンが検事コ・ヨンジュ役を、「ダリとカムジャタン〜真逆なフタリ〜」のクォン・ユルがヨンジュの同僚検事のチャ・ヨンウン役を、ボーイズグループ・NU'ESTのレンがジンソンの弟・ジヌ役を務めている。

その他にも、ドラマ「愛の不時着」や映画「パラサイト 半地下の家族」などのヒット作に出演するチャン・へジンが主人公の母親ホン・ヨンヒ役を、時代劇「鉄の王 キム・スロ」やドラマ「優雅な一族」など数多くの作品に出演するぺ・ジョンオクがヨンウンの母親ユ・ジョンスク役を演じる。

■自分の気持ちを爆発させるヨンウンだったが…

ジンソン(ナ・イヌ)はジヌ(レン)の心臓が移植されたと記録に記された人物に会いに行くが、その人物が“移植されていない”と証言した。そのためジンソンは、“記録は偽物で、ジョンスク(ぺ・ジョンオク)によりジヌの心臓がヨンウンに移植されたのではないか”と疑う。

一方のヨンウン(クォン・ユル)は、ウノ(キム・チョルギ)の口から直接話を聞くことに。ウノはヨンウンに「院長は母親として君のために人生を捧げた」と言いジョンスクを擁護するが、ヨンウンは“捜査チームは多くの証拠を持っているから逃れられない”とウノに忠告する。

知らないうちに自分の弟が殺され、その心臓が自分に移植されたという現実と向き合うヨンウン。そんな彼は、直接両親のもとへ真実を確かめに行く。すると母親のジョンスクは、“ジヌが異母兄弟だとは知らなかったし、知っていても同じ選択をしたまでだ”と淡々と話すのだった。

さらに父親であるジョンチョルも、「良心も倫理も命には勝てない」とジョンスクを肯定したり、ジョンスク自身もヨンウンが15歳で余命宣告を受けた際に現実を受け入れられず、息子を救うために出た行動だったと言い、「私に盾突けば無事でいられない」とヨンウンを脅す始末…。

両親の発言に怒りを爆発させたヨンウンは、「罪を犯してまで子を救う母はいない」「僕の心は死んだ」と言って部屋を出ていく。これに対しジョンスクは、「自分を責めるのではなく、息子を救ったお礼を言うべき」と開き直るのだった。

この事件に介入するのは危険だと判断したヨンウンは、その後ヨンジュ(キム・ジウン)を呼び出し、「何もするな」と忠告。チンジンを起訴したいヨンジュはこれを拒否し、2人は別々の道を歩むことになる――。

■事件のカギを握るウノをようやく逮捕するも…

ジンソンはウノを緊急逮捕し、取り調べを行った。さまざまな状況証拠を突き付けてもしらばっくれるウノだったが、ジンソンが“ジヌを襲う動画がある”と伝えると、明らかな動揺を見せる。ところが逮捕後間もなくしてウノの令状が棄却され、釈放されてしまうことに。不敵な笑みを浮かべるウノにジンソンは「地の底まで追いかける」と言い放ち、その手を一旦離した。

一方、ジンソンはウジン警察署の仲間に頼み、ドクター・チュ(キム・ヒョンムク)を監視するように伝えていた。ウジン警察が頻繁に入り江食堂にやって来るのを不審に思ったヨンヒ(チャン・へジン)が、刑事の一人に問い詰めると、“ジヌは事故ではなく殺された”という事実を知る。そしてヨンヒはソウルまで行き、ジンソンに「真相を教えてくれ」と懇願する。

一方釈放されたウノはジョンスクらと豪華な食卓を囲んでいた。そこへヨンウンがやって来て、「僕は家族を守るために検事として助言するよ」と、どういうわけかジョンスク側に付くことに。

そして“ジヌが非嫡出子であることを隠すためには、実母(マリー)に口止めをする必要がある”と助言するヨンウン。ジョンスクはすでにマリーを大金で買収していたものの、ヨンウンの助言に従い、念のため直々に会いに行くことを決める。

対するジンソンらも、“チンジンがマリーとジヌの関係を知っているかが争点になる”として、マリーからの証言を得ようとしていた。

翌日、さっそくマリーに会いに行くジョンスク。しかしマリーは「先約がある」と、ジンソンに会うことを優先した。そしてジンソンに「ジヌはチンジンに殺された」と打ち明けたマリーは、「この世に偶然はありません」と、笑みを浮かべるのだった――。

■マリーが韓国へ来た本当の理由とは…?

マリーはてっきりチンジン側に買収されたと思われたが、そうではなかった。マリーがジンソンに「ギヨン(イ・ギュハン)の死因を知っているか」「私がなぜ韓国に来たか分かるか」と言っていたことから、マリーはギヨンから事件の真相を聞かされており、チンジンに復讐するために韓国へ来たとも考えられる。また、マリーの発言からギヨンは自殺ではない可能性も浮上した。

そしてもう1つ第11話で気になったのは、ヨンウンがジョンスク側についたことだ。ジョンスクに対しあれだけ怒りをあらわにしていたヨンウンが、この短時間でジョンスクらにアドバイスをしている姿には違和感を覚える。

罪を犯したとはいえ、自分のためにここまでしてくれた母親のことを見捨てられず“自分も悪になる”と決めたのか、はたまた正義を貫くためにわざと協力しているふりをしているのか…。ヨンウンの真意が気になるところだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部