オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「ずっとあなたを待っていました」。第12話では、ヨンウン(クォン・ユル)とギヨン(イ・ギュハン)の秘密が暴かれる様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第12話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

■「ずっとあなたを待っていました」とは

本作は、韓国で注目の若手俳優とベテラン俳優が一堂に会することで話題を呼んだミステリーサスペンスドラマ。ある日、50年間大きな事件が起きていない平和な町で殺人事件が発生し、血気盛んな地元の刑事オ・ジンソンは、検事たちと共に捜査を開始する。そんな中、彼の家族が事件に巻き込まれてしまう。そして事件の真相を追い求めるごとに、自分の家族の隠された秘密や欲望が明らかになっていき、オ・ジンソンは衝撃の真実へとたどり着く――。

キャストには、「哲仁王后 〜俺がクイーン!?〜」などのテレビドラマを始めバラエティ番組でも活躍が目覚ましい俳優ナ・イヌが主演の刑事オ・ジンソン役に抜擢。また、「アゲイン・マイ・ライフ 〜巨悪に挑む検事〜」といった話題作に出演し、注目の若手の1人とされるキム・ジウンが検事コ・ヨンジュ役を、「ダリとカムジャタン〜真逆なフタリ〜」のクォン・ユルがヨンジュの同僚検事のチャ・ヨンウン役を、ボーイズグループ・NU'ESTのレンがジンソンの弟・ジヌ役を務めている。

その他にも、ドラマ「愛の不時着」や映画「パラサイト 半地下の家族」などのヒット作に出演するチャン・へジンが主人公の母親ホン・ヨンヒ役を、時代劇「鉄の王 キム・スロ」やドラマ「優雅な一族」など数多くの作品に出演するぺ・ジョンオクがヨンウンの母親ユ・ジョンスク役を演じる。

■ギヨンがマリーに明かした衝撃的な真実…

第11話のラストで、マリーとの接触に成功したジンソン。マリーは以前、ジヌがジョンチョルの子であることを証明するためにギヨンに会ったという。そこでジヌの死を知らされた後、ジョンスクがドナーのジヌに感謝している“隠し撮り動画”を見せられたマリー。その後ギヨンから、「自分もドナー候補だったが、B型肝炎を患っていたためジヌが選ばれた」と言われたそうだ――。

ジヌのことを「片時も忘れたことはない」と告げるマリーはジヌに許される日が来るのを待っていたが、こうなってしまった以上ジョンスクに復讐することを誓い、マリーはジンソンに“ジヌの件を口外しない”という契約書などの書類を託した。

その後ジョンスクに会ったマリーは、隠し撮りの動画内でジョンスクが言っていた「息子を捨ててくれて助かったわ」というセリフを呟く。しかしそれを聞いたジョンスクは全く悪びれる様子はなく、「あなたに捨てられたせいで彼は死んだのよ」と言い捨てる始末…。

マリーの発言によって、家の中に密告者がいると確信したジョンスクは、使用人の女性を問い務める。すると彼女は以前ギヨンから、経済的な支援を受ける代わりにリビングに監視カメラを取り付るなどして、一家の動向を監視するよう指示されていたことが明らかになるのだった。

一方検察庁は、マリーの持つ書類などによって、ウノの“ジヌが非嫡出子だとは知らなかった”という供述が嘘だと確信。すぐさまウノとジョンスクの令状を取り寄せる。

その後ジンソンはギヨンの母親・ソラと親しかったホン弁護士の母親に会う。昔2人はチンジンのモデルをしており、ソラはジョンチョルのお気に入りだった。当時“ギヨンの父親はジョンチョルなのでは?”という噂が流れ、ソラ自身も否定はしなかったそうだ。

しかしソラは妊娠後すぐにチンジンから契約を切られ、援助もなく苦しい生活を送った挙句、チンジンから送られてきた“栄養剤”で薬物依存になり、間もなく死亡した。どうやら、その薬は麻薬の一種だったという…。

ジンソンはヨンウンを呼び出し、ヨンウンとギヨンとの異母兄弟疑惑を伝えたうえでギヨンの歯ブラシを渡し、DNA鑑定を依頼。ヨンウンは遺伝子センターに鑑定を依頼した後、自宅に戻ってジョンスクやウノの刑期が軽くなるようなアドバイスをしていると、ウノは「私が全責任を負います」と切り出す――。

そしてDNA鑑定の結果、ヨンウンとギヨンは異母兄弟であることが認められるのだった。

■“ギヨンの自殺”について疑問を抱くジンソン

ギヨンとヨンウンも“異母兄弟”であることを知ったジンソンは早速ヨンジュら検察に共有するが、こうなってくると、なぜギヨンは自殺したのかという疑問が残る。

ジンソンは、ギヨンが亡くなった際に身元確認の鍵となった“歯の治療記録”に目をつける。その治療記録はチンジンから提出されたものだったため、ジンソンは早速科捜研に行き、治療記録にある“ギヨンの歯の写真”と全く同じ模型を作らせることに。

そしてギヨンが訪れたことがあるであろう歯科医のミンギュに話を聞くと、病院にギヨンの最新のレントゲン写真があるという情報を入手する。そしてチンジンが提出した写真の模型とミンギュの歯科医院にあった写真を見比べてみると、やはり若干の違いが。よって焼死体は別人で、ギヨンは自殺ではなく、他殺かまだ生きている可能性が浮上した。

そしてふとジンソンは、ウノが常時体を鍛えており、朝食はいちごと牛乳だけであるにもかかわらず、逮捕時の朝に配達員が納豆チゲを届けに来ていたことを思い出し、何かにピンときた様子を見せるのだった。

その頃、ヨンジュがウノの事情聴取をしていると、先日とは一変し、ジヌへの犯行を認める。しかし動機については「衝動的だった」と説明して、ジヌの心臓がヨンウンに移植されていたことについても一貫して「知らなかった」と否定する。しかしヨンジュが例の隠し撮りされた動画をウノに見せると、明らかに表情が変わり、動揺し始める。

実は4時間前、ギヨンの母・ソラの友人が“ギヨンの1番好きな食べ物は納豆チゲ”と話していたことを思い出したジンソンは、ウノのマンションの警備員から“ギヨンの部屋の暗証番号”を聞き出し、突入していた。すると、ドアの向こうには他でもない、ギヨンの姿があったのだった――。

■自分の正義を貫くジョンスクは罪を認めるのか…?

第12話では、死んだと思っていたギヨンが生きていることが判明した。チンジンにとってギヨンが生きているのは不都合なため、死んだと見せかけるのは当然のことなのだが、意外だったのは殺さずに匿っていたり、わざわざ好きな食べ物を届けていたことだ。

チンジンがギヨンを匿っているのには何か理由があるのだろうか? もしかすると、最初から心臓移植を目当てに管理されていたギヨンは、ヨンウンと兄弟同然のように過ごしたことで、ジョンスクもギヨンに対する母性が湧いたのかもしれない。しかし、これだけのことをしても未だに罪の意識がないジョンスクを見ていると、人道的な心があるとはとても考えにくい…。

残すところあと2話。ギヨンが登場し、捜査が一気に動き出すことが予想される。チンジン側はジヌの殺害だけでなく、違法なルートでの移植、ギヨンの自殺偽造、そしてジョンスクの犯罪ほう助など、さまざまな罪状がある。

また、気になるのはヨンウンとギヨンの関係性だ。ヨンウンがギヨンと異母兄弟だと知ったうえで、今後関わりを避けるのか、あるいは兄弟のような関係に戻りたがるのか…。性格も全く異なる2人の関係性についても見守っていきたいところだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部