やっぱり今でも止められない

チャンピオンズリーグはベスト16でバイエルンに敗れる悔しい結果となったが、パリ・サンジェルマンFWリオネル・メッシが今季見せたパフォーマンスは特別なものと言えよう。

チームは苦戦しながらもリーグ・アンを制したが、メッシは27日のストラスブール戦でも得点を記録。これで今季パリでは40試合に出場して21ゴール20アシストの成績となり、41のゴールに関与したことになる。

リーグ・アン初挑戦となった昨季はリーグへの適応に少々苦労したところがあり、6ゴール14アシストの成績でフィニッシュしていた。メッシが一桁得点はちょっとした異常事態であり、一部では衰えを指摘する声もあった。ベテランになってから別のリーグへ挑戦するのは難しいとの見方もあっただろう。

しかし、今季のメッシはそうした批判に結果で応えてみせた。1年でフランスの環境に適応してくるところは見事で、今季は得点数&アシスト数で昨季を大きく上回った。それも今季はシーズン途中にワールドカップ・カタール大会があり、アルゼンチン代表のエースとしてメッシはチームを優勝へ導いている。疲労は確実に溜まっていたはずだが、パリではそれを感じさせないパフォーマンスを見せてくれた。

凄いのは得点数やアシスト数だけではない。今季のメッシは37試合を消化した段階で100回のドリブルを成功させている。これはレンヌFWジェレミー・ドク(89回)、リヨンMFラヤン・チェルキ(78回)ら注目の若手を抑えてリーグ・アン1位の数字である。チームメイトのキリアン・ムバッペでも72回となっていることを考えれば、やはりメッシのドリブルは特別だ。

5大リーグ全体で見ても、メッシよりドリブルを決めているのはレアル・マドリードFWヴィニシウス・ジュニオール(108回)のみ。35歳を迎えているメッシは若い頃とはトップスピードも違ってきているはずだが、スピードだけに頼らないところにメッシの凄さがある。このドリブルはまだまだ抑えられないだろう。

ワールドカップを制するなど充実のシーズンを過ごしたメッシ。今は移籍の話題が注目を集めているが、どの環境でも35歳メッシはまだまだサッカー界を盛り上げてくれることだろう(データは『WhoScored』より)。