ラ・マシアによる黄金期復興

バルセロナは監督のシャビ・エルナンデスが1月に今季限りでの退任を発表して以来、シャビの慰留も含めて、来季の指揮官探しに奔走してきた。ブライトンのロベルト・デ・ゼルビや、元ドイツ代表監督のハンジ・フリックなどが候補に挙げられる中で、リザーブチームのFCバルセロナ・アトレティックで監督を務めるラファ・マルケスも候補者に含まれている。

FCバルセロナ・アトレティックはラ・リーガの3部にあたるプリメーラ・フェデラシオン・グループ1で、直近11試合で9勝2分けと無敗、今季通算では17勝6分け7敗の2位につけている。

その中で特に注目すべき点はラミン・ヤマル、パウ・クバルシ、エクトル・フォートらといった選手をトップチームに送り込んでいる点で、ラファ・マルケスが彼らを今季リザーブチームからスタートさせ、トップチームのトレーニングや試合出場の常連となるレベルにまで育て上げたことだろう。また、最近ではギジェ・フェルナンデスが15歳9ヵ月と13日で、リザーブチーム史上最年少デビューを果たしており、来季にはトップチームデビューすることが期待されている。

ラファ・マルケス自身も、トップチーム昇格の声がフロントからかかれば「ノーとは言えないチャンスだ」と語っており、前向きにとらえていることも『MARCA』紙によって報じられている。

リザーブチームで数々のダイヤの原石を磨き上げ、指揮官自身もトップチームで指揮を執ることになれば、バルセロナファンの頭によぎるのは、かつてペドロ・ロドリゲス、セルヒオ・ブスケッツらを育て上げ、世界最高の監督の称号を欲しいままにしたペップ・グアルディオラの存在だろう。

現実的には、バルセロナのリザーブチーム上がりの選手たちはまだ若く、すぐに多くのタイトルを求めるのは酷な話かもしれないが、かつてのリオネル・メッシとグアルディオラを中心としたラ・マシア出身者によるバルセロナの黄金期が、いずれヤマルらとラファ・マルケスによって再現されるかもしれない。