24日、美浦トレセン近郊の稲敷郡阿見町に馬とのふれあい施設として今年5月にオープンしたうまんまパークで〝うまパ祭〟が行われ、スペシャルトークショーには藤沢和雄元調教師(72)が出演したほか、移動動物園やポニーライド、現役時代のグランアレグリアを担当し、現在は蛯名正厩舎所属の渡部貴文厩務員による馬の手入れ体験などさまざまな催しで、集まった競馬ファンや家族連れなど幅広い層を楽しませた。

 藤沢和元調教師は近況について「引退した当初は(午前)4時に目覚めていたが、このごろやっと6時くらいまでベッドの中で我慢できるようになりました。今は馬の代わりにメスの柴犬を3匹飼っていて、朝晩小一時間の散歩をしています。雨が振ると〝(時間を)短くしていいか〟と思ったりして、長い間厩務員さんたちが大変な思いで仕事をしてくれていたんだと感じています」と笑顔で話した。

 現在はJRAのアドバイザーを務める立場から「私のころは(トレセンに)入り切れないほど働きたい人がいて、待ったりした時代だが、今は厩舎も牧場も従業員の数が足りない状況。JRAとも協力して、女性を含めて若い人が働きたいと思う環境を作っていきたい。それに馬の頭数が増えた分、1頭の馬が1年で走る回数が少なくなって、せっかく馬主になっても競馬に出られず高齢まで厩舎に置くことになり、引き取り場もなくなってきている。将来を考えていかないと」と競馬の未来についても見解を示した。

 うまんまパークは、同じく阿見町に育成牧場として60馬房を構えるリバティホースナヴィゲイトを運営し、中央、地方でも現役競走馬を所有する佐久間拓士氏が「引退後も自分で面倒を見たいのと、30年(競馬サークルで)仕事をしてきた恩返しのつもり」と開業。引退後に引き取ったJRA重賞3勝のエアスピネルや、公営・川崎所属で今年1月の百人一首賞を馬体重593キロで牝馬の国内最高体重勝利記録を更新したケウ(牝4・林隆)など18頭がいる。現役の競走馬に競馬場以外で間近に接することのできる施設は極めてまれだ。

 この日はSNS上でも人気のポニー〝コジュウチョウサン〟も母の〝コポロマーベリック〟とともに来場し、イベント会場を盛り上げた。

ウマ娘をバックにトークショーに出演した藤沢和雄元調教師
ウマ娘をバックにトークショーに出演した藤沢和雄元調教師

著者:東スポ競馬編集部