オーストラリア遠征時のハナズゴール。鞍上は加藤士津八調教助手(現調教師)
豪州遠征時のハナズゴール。鞍上は加藤士津八調教助手(現調教師)=平松さとし氏提供

 先週は阪神でGⅡチューリップ賞、中山でGⅡ弥生賞ディープインパクト記念が行われた。

 それぞれGⅠである桜花賞、皐月賞のトライアルレースであるが、12年前、2012年のチューリップ賞を制したのがハナズゴール(加藤和)だった。当時の1番人気はGⅠ阪神JFを制し2戦2勝だったジョワドヴィーヴルで、2番人気がのちの3冠牝馬ジェンティルドンナ。4番人気ながら単勝オッズ37・2倍だったハナズゴールは大外を回りながら上がり最速の脚を繰り出し、人気両馬を並ぶ間もなくかわすと悠々2馬身半突き放してみせた。終わってみれば楽勝だった。

 ところが好事魔多し。本番・桜花賞の直前、ハナズゴールは入厩先の栗東トレセンの洗い場で羽目板を蹴り上げ、脚を故障。桜の女王決定戦には駒を進められなかった。当時、この一報を美浦で耳にしたのが調教助手として同馬に携わっていた加藤士津八現調教師。

「本当に残念で、使いながら本番でピークへ持っていくことの難しさも痛感しました」

 2年後、ハナズゴールは豪州へ遠征し、加藤士調教助手が現地に帯同。かの地で3回走ると、その3走目であるGⅠオールエイジドSで見事に優勝を飾った。

 現在、調教師となった加藤士師は先週の弥生賞をコスモキュランダで勝利。今週の桜花賞トライアル、GⅡフィリーズレビューにはコラソンビートの出走を予定している。本番へ向けてどんな競馬をするのか。注目したい。(平松さとし)

著者:東スポ競馬編集部