右上から時計回りにシックスペンス、メイショウタバル、ルカランフィースト、ペッレグリーニ
右上から時計回りにシックスペンス、メイショウタバル、ルカランフィースト、ペッレグリーニ

スプリングステークス2024

[GⅡスプリングステークス(皐月賞トライアル)=2024年3月17日(日曜)中山競馬場、芝内1800メートル]

 過去10年の皐月賞で前走・スプリングS組は〈1・1・2・33〉。勝率は2・7%と壊滅的だが、1頭も優勝馬を出していない弥生賞組よりはまだ〝救い〟はあるのかもしれない。ただ、クラシック路線の中では重要度は低くなっているのは間違いない。それでも、振り返ってみれば11年の3冠馬オルフェーヴル、13年の皐月賞馬ロゴタイプといったクラシックホースだけではなく、18年ステルヴィオ(18年マイルCS)、17年ウインブライト(海外GⅠ2勝)、15年キタサンブラック(GⅠ7勝)といったのちのGⅠ馬を数多く輩出。春を占うという役割以上に、なかなか奥深いレースと言えよう。

 今年も重賞好走歴のある馬が皐月賞への切符を手にすべくスタンバイしている。ウォーターリヒト(牡・河内)はシンザン記念3着→きさらぎ賞2着。それぞれ17→10番人気でのものだったが、2戦連続のGⅢ好走でもはやフロック視されることはあるまい。大接戦の前走で2着賞金を確保したものの、今年の皐月賞の出走ボーダーラインでは心もとないだけに、ここは勝負を懸けた一戦だろう。

 一方、GⅢ京成杯の3着馬コスモブッドレア(牡・小野)もここで権利を手にしなければクラシックへの出走が難しくなる状況。ここでの勝負度合いは高そうだ。先の京成杯は10番人気ながら果敢な積極策で3着に粘っており、中山向きの先行力&持久力を武器に権利取りを狙う。

 その京成杯で1番人気を裏切ったのがジュンゴールド(牡・友道)。テンションが上がり気味で力んだ走りとなり、中団から伸びを欠いてしまった。12着大敗は初の関東遠征も影響したのかもしれない。それでもデビュー2連勝で見せたパフォーマンスは非凡なもので、仕切り直しの一戦で本来の実力を発揮できれば反撃があっていい。

 ジューンテイク(牡・武英)はGⅠ朝日杯FS4着後、一気の距離延長となったリステッド・すみれSでも2着と好走した。距離、コース、ペースを問わずどんな条件でも安定して走れるセンスと脚力はなかなかのもの。豊富なキャリアを生かしてタイトル奪取を目指す。

 1勝クラスでいい勝ち方をした馬たちにも注目したい。シックスペンス(牡・国枝)はいずれも当地・中山で新馬→ひいらぎ賞を連勝。距離延長は課題ながらもルメールを配して無敗のまま本番に駒を進めることができるか。他方、セントポーリア賞=ペッレグリーニ(牡・手塚)、つばき賞=メイショウタバル(牡・石橋)、若竹賞=ルカランフィースト(牡・鹿戸)はいずれも今回と同じ芝9ハロンの1勝クラスを勝ち上がり。新馬V直後に重賞にチャレンジするスティンガーグラス(牡・木村)とともにどれだけ上位馬を脅かせるか。

著者:東スポ競馬編集部