桜花賞2024

[GⅠ桜花賞=2024年4月7日(日曜)3歳牝、阪神競馬場・芝外1600メートル]

【トレセン発秘話/記者の特注馬】抽選対象(3頭中2頭が出走可能)ながら、桜花賞の惑星として注目を集めているのがボンドガールだ。ゲートインできれば…と思わせる才能を感じ取っているのはファンも陣営も、メディアも同じ。同馬を追いかける権藤時大記者が抽選以外に乗り越えるべきものを探ってみると、新パートナーも手応えを感じているようで…。

「思いだけでも…力だけでもダメなのです」――現在上映されている「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の名言を思い起こさせるのは、ダノンベルーガの半妹で桜花賞へ登録しているボンドガール(手塚)です。昨年暮れの阪神JFでは当週に調教での放馬による外傷で出走取りやめ。いかに力を持つ馬でも、気性面の難しさがあると事はそうスムーズに運ばないと再認識させられました。

 この中間の調教ではラスト1ハロン11秒台前半を連発している同馬。1週前追いでは出走がかなえば初コンビとなる鮫島駿が美浦に駆けつけ、抜群の伸び脚で併入し、終わってみれば6ハロン79・8ー50・4ー11・2秒の猛時計をマークしました。

 ジャンタルマンタルやジャスティンパレスなどのGⅠ馬の背中を知る同騎手も「能力はありますがスムーズに発揮できるかがカギですね。今まで負かした相手もそうそうたるメンバーなので力は十分だと思います」とポテンシャルを実感。気性面についても「手塚先生や嶋田先輩から難しさがあると聞いていたので確認できてよかったです」と美浦トレセンに足を運んだ“成果”に満足げでした。具体的には「乗る前は折り合いも難しそうで、角馬場でのゆっくりのキャンターなどでは難しさを見せていましたが、追い切りでは比較的スムーズでした」とのこと。自身の初GⅠ勝利に向けて手応えをつかんだようです。

 大舞台に対する鞍上の「思い」だけでも、調教で感じ取った「力」だけでも、GⅠ制覇が簡単に成し遂げられるものではないのは分かっています。でも、それに加え、気性難の克服がかなえば…そう期待させるだけの魅力があるボンドガールに注目です!

才能の“種”(SEED)が割れた時、ボンドガールが覚醒する…
才能の“種”(SEED)が割れた時、ボンドガールが覚醒する…

著者:権藤 時大