勝ち馬ミスティックダン(右)とフォーエバーヤング(中)(提供=平松さとし)
勝ち馬ミスティックダン(右)とフォーエバーヤング(中)(提供=平松さとし)

【TPC秋山響の海外競馬解析】4日に米国ケンタッキー州のチャーチルダウンズ競馬場で行われたGⅠケンタッキーダービー(ダート10ハロン)。坂井瑠星騎手を背にした日本のフォーエバーヤングは直線で内にヨレるシエラレオーネ(2着)に何度もぶつけられてバランスを崩す場面がありながらも、勝ったミスティックダンからハナ+ハナ差の3着に激走した。

 米国の3歳ダート王決定戦、つまり実質的には世界の3歳ダート王を決めるレースで勝利まで本当にわずかなところまで迫ったわけで、今から29年前の1995年に日本から初めてケンタッキーダービーに挑んだスキーキャプテン(14着)をリアルタイムで応援した身からすると隔世の感がある。本当に日本の馬は強くなった。

 さて、このレースで、もうひとつ印象的だったのは勝ったミスティックダンの鞍上を務めたB・ヘルナンデスJr.騎手(38)の見事なエスコートだ。

 道中は3番枠を利して、内ラチ沿いの6番手を追走すると、最終コーナーで迷いなく非常に狭い内を突いて先頭に立っての優勝。着差が着差だけに、最短距離を通ったこの騎乗が勝利につながった。実はこのコンビは2走前のGⅢサウスウエストSでも同じような競馬で勝利しており、この経験が大一番で生かされた。

 なお、ともにケンタッキーダービー初制覇となったヘルナンデス騎手と管理するK・マクピーク調教師(61)は前日のGⅠケンタッキーオークスもソーピードアンナで優勝。同一年のダービー&オークスのダブル制覇はそれぞれ15年ぶり史上8人目、72年ぶり史上3人目(B・ジョーンズ調教師が2度記録しているため回数では4度目)の快挙だ。

著者:東スポ競馬編集部