深沢高校のボランティア熱が、コロナ禍を挟んでさらに高まっている。もともと地域活動に積極的に取り組んでいた同校だが、新型コロナによって2020年から3年間は校外での活動を休止。感染症が5類に移行した6月からは活動を再開し、7月3日には生徒150人が川の清掃に臨んだ。

深沢小学校前を流れる新川が3日午後、高校生で溢れ返った。ジャージに、学校がボランティア活動用に保有する長靴を履いた生徒たちが、鎌で生い茂る草を刈り、捨てられたごみを拾う。気心知れた仲間との活動のためか、明るい声が2時間近く飛び交った。

地元奉仕団体・鎌倉西ライオンズクラブが2007年から行う新川清掃には、以前から深沢高の生徒たちが協力。4年ぶりの今回は、生徒150人、教員10人の160人が参加した。石森七海さん(3年)は、「たくさんあった草が目に見えてきれいになった。やっぱり気持ちいいですね」と笑顔を見せた。

全校の11%が委員

同校では今年度、新川清掃のほかにも、学校近隣の幼稚園・保育園との交流、納涼祭の手伝いなどの地域活動を予定。その中心が、1〜3年生74人が名を連ねるボランティア委員だ。図書委員や体育祭実行委員などのように各クラスから数人ずつ選出するのとは異なり、ボランティア委員はあくまで任意。コロナ前でも50人はいたものの、今年度は70人を超え、全校生徒665人(4月時点)の11%までに拡大した。

今回の新川清掃は、ボランティア委員に加えて有志の生徒も参加し、150人まで膨らんだ。日比野規生教諭(57)は、「ボランティアに対する意識はもともと高い学校だったが、コロナ下でさまざまな活動が制限された分、参加意欲が高まったのでは」と話す。

活動に初めて参加した1年生の男子生徒は「ボランティアは校風」と言い、好奇心から委員になったという橋本あかりさん(3年)も「人生経験になる」と清々しい表情を浮かべていた。