新学期、進級、進学などのタイミングは、環境の変化から子どもにストレスがかかりやすい時期。団体行動や学校の方針になじめず「学校に行きたくない」という子が増えやすい傾向にある。

行動心理学の専門家で4月にセンター北に開所したフリースクールのファシリテーターを務める樋榮ひかるさんは「学校へ行くだけが正解じゃない。子どもの特性に目を向けてあげて」と呼びかける。子どもの感情や好奇心に寄り添い、独自のプログラムを提供する樋榮さんに「学び場づくり」について聞いた。

「不登校の理由はさまざま。わがままでもしつけが悪い訳でもない。ただ子どもは理由を上手に説明できない」と樋榮さん。「学校へ行くこと=当たり前」「不登校=悪い」という固定観念を無くした上で、「『行きたくない』という思いに寄り添って、理由を紐解いてあげてほしい」という。

近年は学校以外の「学びの場の選択肢」は増えつつある。樋榮さんの掲げる「学び場づくり」は、教師が教えるという構図ではなく、子どもそれぞれの学びを対話し、共有し、深めていくことを目指す。一人一人が「好きなこと」「やりたいこと」を入口に、自主的に学ぶ環境をファシリテーターとして整えていく。